お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)①

2019-12-26

お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)①

お年玉兄弟喧嘩から少年事件傷害事件)に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

会社員のBさんは、妻のCさんと息子のAさん(17歳)・Vさん(15歳)の4人で京都市西京区に住んでいます。
年が明け、AさんとVさんはBさん・Cさんや親戚からお年玉をもらいました。
しかし、もらったお年玉の額の違いでAさんとVさんは口論になり、取っ組み合いの兄弟喧嘩となってしまいました。
そして結果的にAさんがVさんを一方的に殴る展開になってしまいました。
Bさん・Cさんは兄弟喧嘩を止めようとしましたが、Aさんが激しく怒っていた様子だったため、これ以上ひどいことにならないようにしなければいけないと考え、京都府西京警察署に通報しました。
Aさんは駆け付けた警察官に傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Bさん・Cさん・Vさんはまさか兄弟喧嘩でAさんが逮捕されることになるとは思わず、慌ててしまいました。
Bさんらは、Aさんの学校が始まる前になんとか釈放してもらえないか、兄弟喧嘩であることからどうにか穏便に済ますことはできないか、と少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・兄弟喧嘩でも犯罪になる?

クリスマスも過ぎ、いよいよ年の瀬となり、もうすぐお正月という雰囲気も出てきたのではないでしょうか。
今回の事例では、そのお正月の風物詩の1つであるお年玉をきっかけに兄弟喧嘩が起き、そこから少年事件へと発展してしまったようです。
今回の事例のBさんらは、Aさんが兄弟喧嘩の末に逮捕されてしまったことに驚き、困ってしまっています。
兄弟喧嘩に限らず、夫婦喧嘩や親子喧嘩など、家族で暮らしていれば家族同士で喧嘩をしてトラブルとなってしまうこともあるでしょう。
「身内の喧嘩・トラブルなのだから大事にはならないだろう」と思っている方もいるかもしれませんが、こうした家族内の喧嘩でも刑事事件少年事件となってしまうことがあるということにも注意が必要です。

たしかに、刑法に定められている一部の犯罪については、いわゆる身内で起こった場合は刑罰を免除する、という規定があります。
例えば、有名なものとして刑法244条の親族相盗例といわれる規定が挙げられます。

刑法244条
1項 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2項 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3項 前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

この親族相盗例が適用される犯罪は、刑法235条の窃盗罪、刑法235条の2の不動産侵奪罪、刑法246条の詐欺罪、刑法246条の2の電子計算機使用詐欺罪、刑法247条の背任罪、刑法248条の準詐欺罪、刑法249条の恐喝罪、刑法252条の横領罪、刑法253条の業務上横領罪、刑法254条の遺失物等横領罪とこれらの未遂罪です。
親族相盗例があるため、これらの犯罪については配偶者や直系血族、同居の親族の間で起こったとしても刑罰に処せられることはありません(ただし、あくまでも「刑の免除」であるため、有罪となった場合には前科が付くことになりますし、刑事事件・少年事件となる可能性自体はあります。)。

他にも、犯人蔵匿罪や証拠隠滅罪等についても、以下のような特例が定められています。

刑法105条
前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
※注:「前二条の罪」とは、刑法103条の犯人蔵匿等罪、刑法104条の証拠隠滅等罪を指します。

こうした規定もあることから、「身内での犯罪は大事にはならないだろう」と考える方も少なくありません。
しかし、こうした規定はあくまで特例、例外であり、特別に規定がなければたとえ身内で起こったものであったとしても逮捕を伴う刑事事件少年事件となり、処罰・処分される可能性が十分あることになります。
今回のAさんらのケースでは、兄弟喧嘩でAさんがVさんに怪我をさせてしまったようですから、傷害罪がAさんの逮捕容疑となっているようですが、傷害罪には親族相盗例のような特例は規定されていません。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

ですから、たとえ兄弟喧嘩や親子喧嘩、夫婦喧嘩であったとしても、相手に怪我をさせてしまえば傷害罪として処罰・処分されることが考えられるのです。
しかし、今回のAさんに関しては未成年であるため、刑罰を受けることは原則考えられません。
少年事件では、基本的に最終的な処分として刑罰とは別の保護処分=少年の更生のための処分を下すことになるからです。

家族内で犯罪が起こってしまった時、それが刑事事件少年事件となってしまった時、どうしてよいかわからず慌ててしまう方も多いでしょう。
そんなときにも、刑事事件・少年事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士にご相談ください。
刑事事件少年事件専門だからこそ、迅速かつ丁寧に対応いたします。