高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女を逮捕
高級ブランドショップで服を盗んだ疑いで女が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事案
京都府山科警察署は、京都市内の百貨店に店を構える高級ブランドショップVで洋服を盗んだとして、会社員の女性Aを逮捕した。
Aは、ショップVで洋服を3点試着したいと申し出て、試着後に2点のみ返却し、残りの1点を鞄の中に入れて持ち帰ろうとした疑いが持たれている。
取調べに対し、Aは「買うお金はなかったが、試着だけでもしてみたいと思ってしてみたら、どうしても欲しくなった。1つだけなら無くなってもバレないだろうと思って盗んでしまった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
窃盗罪
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することを言います。
ここで、占有とは物を自分の支配ないし管理の下に置いていることを言います。
窃盗罪が成立するためには、まずブランドショップであるVが、Aがカバンに入れた洋服を占有していたと言える必要があります。
占有が認められるためには、客観的要件としての財物に対する事実的支配(客観的支配)と、主観的要件として財物に対する支配意思が必要です。
本件では、Aは、ブランドショップVの店内にある洋服を試着室に持ち込んでから自分のカバンに入れたようです。
Vは店内にある商品に対する客観的支配を有していると言えますから、本件洋服に対してもVは強い客観的支配を有していたと言えそうです。
加えて、Vは、店内に置いてある商品に対して、自店舗のものだという強い支配意思を有しているでしょう。
したがって、Vは、本件洋服を占有していたと言えそうです。
そして、Aは、本件洋服を代金を支払わずに持ち出そうとしたようです。
当然のことながら、Vは商品代金を支払わずに商品を持ち出すことを許してはいないでしょうから、Aは、占有者であるブランドショップの意思に反して自己の占有に移転したと言えそうです。
したがって、本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
犯行時のAの認識
窃盗罪は故意犯、すなわち自らの行為が犯罪であることをわかった上で行うと成立する犯罪です。
窃盗罪の場合、故意の内容は、他人の財物を窃取することを認識・認容していたことです。
取調べによれば、Aはブランドショップの商品を試着しているうちに欲しくたまらなくなり、自分の物にしようとして、あえて代金を支払うことなくカバンに入れて持ち出そうとしたようです。
したがって、Aには窃盗罪の故意が認められそうですから、やはり本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
なるべく早く相談を
窃盗罪のように被害者のいる犯罪では、示談を成立させることができるかどうかが重要となります。
仮に早い段階で示談が成立した場合には、不起訴処分を得られる可能性がありますし、起訴されたとしても裁判官による量刑の判断の段階で、示談が成立していることが刑の減軽につながる可能性もあります。
もっとも、加害者自ら示談交渉を行うことは得策ではありません。
ブランドショップVは、大切な商品をカバンの中に入れて代金を支払わずに持ち出そうとしたAに対して、強い処罰感情を有していることが考えられます。
Aが謝罪したいと言っても聞く耳を持ってもらえないかもしれません。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からの直接の連絡を取り合ってくれない被害者であっても、弁護士相手であれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
逮捕前であれば、弊所にて初回無料で弁護士に相談していただけます。
逮捕後の場合には、弁護士を留置場まで派遣する初回接見サービスがございます。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
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