【事例紹介】車のタイヤをパンクさせ、逮捕

車のタイヤをパンクさせたとして器物損壊罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警伏見署は10日、器物損壊の疑いで、京都市伏見区、無職の男(30)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)伏見区のマンション駐車場で、自営業男性(63)=同区=の乗用車の右後輪タイヤをナイフのような刃物でパンクさせた疑い。「自宅近くでパンクをさせていたが、この件は人に見つかったのでできなかった」などと容疑を否認している。

(3月10日 京都新聞 「刃物で車パンクさせた疑い、30歳男逮捕 自宅周辺で十数件の被害 京都・伏見」より引用)

器物損壊罪

刑法第261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

今回の事例では、容疑者が刃物で車のタイヤをパンクさせたとされています。
器物損壊罪は簡単に言うと、他人の物を使用できなくさせた場合に成立します。
タイヤをパンクさせられれば、車を走らせることができなくなりますから、報道の通り、容疑者が車のタイヤをパンクさせたのであれば、器物損壊罪が成立する可能性があります。

しかし、今回の事例では、「自宅近くでパンクをさせていたが、この件は人に見つかったのでできなかった」と容疑者が否認しているそうです。
器物損壊罪に未遂罪はありませんので、容疑者が言うようにパンクさせることができなかったのであれば、器物損壊罪が成立しない可能性があります。

器物損壊罪と示談交渉

器物損壊罪親告罪ですので、起訴される前に示談などの締結により告訴を取り下げてもらうことができれば、器物損壊罪で起訴されることはありません。
刑事罰は起訴後、有罪になった際に科されますので、起訴されない場合には罰金刑や懲役刑は科されませんし、前科は付きません。

示談交渉では、加害者と直接やり取りをすることを嫌がられる被害者も多く、直接被害者に連絡をとることでトラブルを生む場合があります。
また、加害者が被害者に連絡をとることで、証拠隠滅を疑われる可能性もあります。
そういったトラブルや証拠隠滅の疑いをもたれないようにするためにも、示談交渉は弁護士が行うことが望ましいでしょう。

また、弁護士による取調べのアドバイスや処分交渉などにより、不起訴処分を獲得できる場合があります。
今回の事例の報道では、容疑者が否認しているとされています。

容疑を否認している事件では、取調べが厳しく行われる可能性があります。
厳しい取調べに耐えられず、虚偽の自白を行ってしまうこともあるかもしれません。
供述調書は後の裁判で証拠として使われますので、不利な供述調書が作成された場合には、無罪を主張することが難しくなってしまうことがあります。
弁護士は違法な取調べをされた場合に、警察署に抗議を行うことができますので、そういった事態を避け、取調べに対してしっかりアドバイスを受けるために弁護士を付けることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
弁護士による弁護活動で、不起訴処分を目指せるかもしれません。
器物損壊罪、その他刑事事件でご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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