準強制性交等事件で逮捕されたら

準強制性交等事件で逮捕されたら

準強制性交等事件逮捕されたケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府宮津市にある会社に勤めるAさんは,職場の同僚であるVさんに好意を持っていました。
Aさんは,せめてVさんと体の関係を持ちたいと思うようになり,ある日,Vさんと一緒に食事に行った際にVさんの飲み物に睡眠導入剤を飲ませ,意識を失ったVさんを京都府宮津市にあるホテルに連れ込んで,意識を失っているVさんと性交しました。
数日後,Vさんが通報し,Aさんは準強制性交等罪京都府宮津警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの両親は,Aさんが逮捕されたということを報道で知りました。
まさか自分の息子が逮捕されたと報道されるとは夢にも思っておらず,驚き焦ったAさんの両親は,すぐに活動を開始できる弁護士を探し,ひとまずAさんのもとに行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)

~準強制性交等罪~

人を心神喪失もしくは抗拒不能にさせて性交等をした場合,準強制性交等罪(刑法178条2項)が成立し,5年以上の有期懲役が科せられます。

刑法178条
1項 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2項 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

刑法178条2項の準強制性交等罪のいう「前条の例」とは,刑法177条の規定している強制性交等罪のことです。

刑法177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

つまり,準強制性交等罪にあたる行為をした場合,強制性交等罪と同じように扱う=5年以上の有期懲役に処する,というのが,刑法178条2項の条文の意味なのです。

準強制性交等罪のいう「心神喪失」とは,責任能力がないという意味ではなく,意識喪失や高度の精神障害などにより,自己に対し性交等が行われていることの認識を欠く状態をいいます。
例えば,今回の事例のVさんは,睡眠導入剤を飲まされたために意識を失っていたのですから,「心神喪失」の状態だったといえます。
強制性交等罪の場合は,その成立に暴行又は脅迫を手段として性交をしたということが求められますが,準強制性交等罪では暴行や脅迫を用いることは求められず,この「心神喪失」等の状況に乗じて性交をするだけで成立する可能性が出てきます。
Aさんは,意識を失った状態=「心神喪失」状態のVさんと性交しているので,準強制性交等罪が成立すると考えられるのです。

~準強制性交等事件と弁護活動~

準強制性交等罪は,前述のとおり法定刑の下限が5年と刑事事件の中でも重い罪であるといえます。
執行猶予がつくのは3年以下の懲役や禁錮の言い渡しを受けた場合ですから,準強制性交等罪が成立する場合には,初犯であっても実刑が見込まれます。

ですから,事実関係に争いがない場合,被害者と示談をするなどして少しでも刑を軽くするために,刑事事件に強い弁護士に依頼すべきです。
まず,警察に被害届が提出される前であれば,被害者と示談をして,被害届の提出を阻止し,警察の介入を阻止して刑事事件化を防ぐことを目指すことができます。
被害届が提出されてしまった後であっても,示談により不起訴となる可能性もあります。

また,逮捕・勾留されて捜査されているような場合には,示談が成立すれば,早期に釈放となる可能性もあります。

起訴されて裁判となった場合には,示談成立など,被告人にとって有利な情状があればそれを主張することによって少しでも有利な量刑となるよう活動していくことになるでしょう。
例えば,再犯防止の取り組みとして,性犯罪を犯してしまった方向けのカウンセリング等を受けることも有効です。
自身の問題と向き合い,真摯に再犯防止を図ることが,量刑上有利に働きます。

こうした活動は,当事者のみで行うにはなかなか難しいことも多いですから,まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士までご相談ください。
「とりあえず事件の見通しを聞きたい」「弁護士と話してから考えてみたい」という方も,まずは初回無料法律相談や初回接見サービスからご利用いただけます。
お問い合わせは0120-631-881で受け付けておりますので,お気軽にお電話ください。

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