【事例紹介】腕をつかんで性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例

【事例紹介】腕をつかんで性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例

手錠とガベル

性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府綾部市内のホテルで20代の女性に性的乱暴を加える目的で、両腕をつかむなどしてけがを負わせたとして28歳の作業員の男が逮捕されました。
綾部警察署の調べによりますと、(中略)容疑者は(中略)京都府綾部市内のホテルで20代の女性に性的乱暴を加える目的で両腕をつかむなどして全治1週間のけがを負わせた疑いがもたれています。
事件後、(中略)容疑者が、金を支払わず、現場を立ち去ったことから、ホテルが警察に通報。被害女性から事情を聞くなどした警察は(中略)容疑者を不同意性交等致傷とホテルの宿泊代などを支払わなかった詐欺(無銭飲食)の疑いで逮捕しました。
(後略)

(6月16日 NBC長崎放送 「性的暴行を加える目的で 女性にけがを負わせる 不同意性交等致傷の疑いで男(28)を逮捕」より地名・警察署名を変更して引用しています。)

不同意性交等罪

刑法第177条1項
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

不同意性交等罪とは簡単に説明すると、相手の同意を得ずに性交等にあたる行為をすると成立する犯罪です。

今回の事例では、被害者に性的乱暴を加える目的で両腕をつかんだと報道されています。
腕をつかむ行為は暴行にあたりますし、刑法第176条1項1号では「暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。」と規定されています。
ですので、暴行は刑法第177条1項が規定する「前条第一項各号に掲げる行為」にあたることになります。
不同意性交等罪は未遂でも罰せられます(刑法第180条)ので、実際に容疑者が被害者の同意なく性行為をしようと被害者の両腕をつかんだが、性行為はできなかったのであれば、不同意性交等未遂罪が成立する可能性があります。

不同意性交等致傷罪

刑法第181条2項
第百七十七条若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。

不同意性交等致傷罪は簡単に説明すると、不同意性交等罪不同意性交等未遂罪監護者性交等罪監護者性交等未遂罪を犯して人にけがをさせた場合に成立する犯罪です。
不同意性交等罪だけでなく、不同意性交等未遂罪不同意性交等致傷罪の対象となりますので、性交等をしなかった(未遂で終わった)としても、相手にけがを負わせた場合には不同意性交等致傷罪が成立することになります。

先ほど述べたように、今回の事例では不同意性交等未遂罪が成立する可能性があります。
また、報道によれば、被害者の両腕をつかんで全治1週間のけがを負わせたとされていますから、容疑者には不同意性交等致傷罪が成立するおそれがあります。

不同意性交等致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役であり、刑法の中でも比較的刑罰の重い犯罪だといえます。
弁護士による示談交渉取調べ対策などの弁護活動で、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得したり、少しでも科される罪を減刑できるかもしれません。
不同意性交等致傷罪で逮捕・捜査されている方、その他刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら