銀行員の融資で背任事件

2019-02-11

銀行員の融資で背任事件

京都府木津川市の銀行で働く融資係のAさんは,得意先の雑貨屋を営むBさんから500万円の融資を頼まれました。
Aさんは,Bさんのお店が経営不振であることから融資しても返済が見込めないかもしれない,とも思いつつ,Bさんに融資しないままBさんが経営破たんしてしまうと,銀行が以前Bさんに融資したお金も回収できなくなるため,融資しないことは逆に銀行への不利益となってしまうのではないかと考えました。
また,BさんがBさんのお店の経営回復を行う対策をきちんと練っていることも伝えられていたため,Aさんはそうであれば銀行も返済を見込めるだろうし損にはならないはずだしそうなれば自分の銀行内での評価も上がるのではないかと考え,Bさんに500万円を貸し出しました。
しかし,Bさんは経営破たんし,銀行はBさんへのすべての融資金の回収が不可能になりました。
銀行は追加融資した500万円がAさんのずさんな融資のせいだと考え,京都府木津警察署背任罪の被害を受けたとして被害届を出そうとしていますが,Aさんは銀行に損を指せようと思ったり自分が得をしようと思って融資を決めたわけではないと主張しています。
(フィクションです。)

【銀行のためを思っても背任?】

今回の場合,Aさんは背任罪(刑法247条)で処罰される可能性があります。
しかし,Aさんとしては,銀行のためを思っての融資でもあったといえます。
この場合,Aさんは背任罪の責任を負うのでしょうか。

刑法247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が,自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で,その任務に背く行為をし,本人に財産上の損害を加えたときは,5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

この背任罪が成立するには,図利加害目的が必要となります。
つまり,今回の場合であれば,自分の利益のために今回の融資をやったという動機があったり(図利),銀行を加害してやろうという動機があったこと(加害)が必要になります。
しかし,人間は様々な感情や動機の下に動いているため,今回のAさんの融資にしても,銀行のためでもあり自分のためでもあったといえる場合もあるでしょう。
そこで,判例では,Aさんのどちらが主たる動機,決定的動機だったかで図利加害目的があったか否かを判断する,という立場を採っています。

今回の場合だと,Aさんの主張ではこの図利加害目的がないということになりますから,銀行のために融資を行ったのであり,自分の成績につながることは二の次だったと銀行や裁判所等に訴えかけたりする必要が出てきます。
このような訴えかけは,弁護士のお任せすることをおすすめします。
取調べでこのような訴えかけを行ってもなかなかすぐに信用されることは難しいですし,そうした中で厳しい取調べが行われれば,自分の本意でない供述を行ってしまう可能性も出てきてしまうからです。
弁護士であれば,より効果的な対応の仕方をアドバイスすることもできますし,捜査機関や裁判所に依頼者の主張を適切に主張していくこともできます。
特に,今回のような融資が背任罪になるかという複雑なケースでは,刑事事件に強い弁護士の弁護活動が必要不可欠ともいえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門としている弁護士事務所ですので,一度,弊所フリーダイヤル0120-631-881までお電話下さい。
(初回接見費用は0120-631-881までお問い合わせください。)