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児童ポルノ所持事件と略式手続
児童ポルノ所持事件と略式手続
児童ポルノ所持事件と略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
~事例~
京都府福知山市に住んでいるAさんは、海外の動画サイトから16歳の女子学生が性交する動画1本と衣服を一切に身に着けていない女子学生の画像1点をダウンロードして保存していました。
これらの動画は、Aさんが個人で見るために、Aさんのパソコンで保管していました。
しかし、ある日、Aさんの自宅に京都府福知山警察署の警察官が来て、児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反の疑いで家宅捜査を受けました。
Aさんは京都府福知山警察署で取調べを受けることになり、その後も何回か取調べに呼ばれると伝えられました。
その中で、自分の刑事事件について略式手続が取られるかもしれないと耳にしたAさんは、詳しい話を聞いてみたいと弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノ所持事件
児童ポルノの所持の禁止は、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」という法律(以下、児童ポルノ禁止法)で定められた犯罪行為です。
児童ポルノ禁止法では、以下の条文で児童ポルノの所持を禁止しています。
児童ポルノ禁止法第7条第1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
児童ポルノ禁止法において、児童ポルノの単純所持は、たとえその所持の目的が自身の性的欲求を満たすためであっても禁止されています。
児童ポルノの単純所持の場合は、児童ポルノの販売目的の所持の場合に比べて法的刑は軽くなっています。
これは、販売目的で児童ポルノを持っていたのであれば、児童ポルノがさらに広がるおそれがありますが、単純所持であればその可能性は低いことから、性的虐待の程度が小さいと判断されるためです。
本件の場合には、Aさんは児童ポルノの単純所持に当たり、かつ所持している児童ポルノは計2点と少ないため、罰金刑も考えられる事案です。
・略式手続
では、Aさんが受けるかもしれないと言われた略式手続とは、どういった手続きなのでしょうか。
一般に略式手続と呼ばれる手続きは、刑事訴訟法第461条から第470条にかけて定められている刑事裁判の手続です。
略式手続の特徴は、簡易に迅速に裁判が行われるため、迅速な裁判が行われる点です。
この略式手続をするためには、
1 簡易裁判所の管轄に属する事件であること
2 100万円以下の罰金、科料などを科すことができる事件であること
3 被疑者が略式手続を行うことに異議がないこと
が必要になります。
以上の要件を満たす場合に、検察官が簡易裁判所に対して書面で公訴を提起することによって行われることができます(刑事訴訟法第462条第1項)。
また、略式手続の日数ですが、略式手続の請求を受けた裁判所は、略式命令が可能かつ略式命令が相当と判断した場合には略式手続の請求を受けた日から14日以内に判断することになっています(刑事訴訟法規則第290条第1項)。
そのため約2週間という速さで罰金などの判断が出ることになります。
また、略式判決に不服がある場合には、公判を請求することもできます(刑事訴訟法第465条)。
今回の事案についてみると、児童ポルノの単純所持の量刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
そのため、Aさんが同意すれば、管轄の簡易裁判所に公訴を提起することによって略式手続となる可能性も考えられるでしょう。
ただ、実際にAさんの立場になった場合、どうするべきかよくわからないと思う人も多いでしょう。
その場合には、刑事事件に強い弁護士に相談しながら決めることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが、 24時間体制で無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
チケット転売事件で逮捕されたら
チケット転売事件で逮捕されたら
チケット転売事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住んでいるAさんは、有名歌手のコンサートチケットなどを高い値段で転売して生活していました。
そしてAさんはある時、Xという歌手のコンサートの指定席のチケットをインターネット上で購入し、通常の3倍の価格で転売を行いました。
Xのコンサートは京都市下京区内で開催予定であり、チケットにはAさんの氏名と連絡先、そして転売禁止の文言が書かれていました。
しかし、後日、Aさんの自宅に京都府下京警察署の警察官が来て、Xのチケットを転売したことについてのチケット転売禁止法違反の容疑で、Aさんは逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたという連絡を受けたAさんの家族は、急いで京都市の刑事事件やその逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・チケット不正転売禁止法とは
チケットの不正転売を禁止した法律の正式名称は、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」と言います(以下「チケット不正転売禁止法」とします。)。
チケット不正転売禁止法は、令和元年6月14日に施工された施行された、比較的新しい法律です。
この法律では、以下の行為が禁止されています。
チケット不正転売禁止法
第3条(特定興行入場券の不正転売の禁止)
何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。
第4条(特定興行入場券の不正転売を目的とする特定興行入場券の譲受けの禁止)
何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない。
第9条(罰則)
第1項 第3条又は第4条の規定に違反した者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
そして、ここでいう特定興業入場券とその不正転売については、チケット不正転売禁止法第2条で規定されています。
チケット不正転売禁止法第2条
第3項 この法律において「特定興行入場券」とは、興行入場券であって、不特定又は多数の者に販売され、かつ、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
第1号 興行主等(中略)が、当該興行入場券の売買契約の締結に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨を当該興行入場券の券面に表示し又は当該興行入場券に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器(中略)の映像面に当該興行入場券に係る情報と併せて表示させたものであること。
第2号 興行が行われる特定の日時及び場所並びに入場資格者(中略)又は座席が指定されたものであること。
第3号 興行主等が、当該興行入場券の売買契約の締結に際し、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める事項を確認する措置を講じ、かつ、その旨を第一号に規定する方法により表示し又は表示させたものであること。
イ 入場資格者が指定された興行入場券 入場資格者の氏名及び電話番号、電子メールアドレス(中略)その他の連絡先(以下略)
ロ 座席が指定された興行入場券(イに掲げるものを除く。) 購入者の氏名及び連絡先
第4項 この法律において「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいう。
長い条文ですが、簡単にまとめると、
①不特定多数の人に販売されたイベントのチケット
②転売の禁止することが販売時とチケットに明示されたもの
③日時と入場できる人又は座席が指定されているもの
④主催者などが入場できる人や購入者の名前と連絡先を確認しチケットに記載があるもの
がチケット不正転売禁止法の「特定興業入場券」に当たります。
そして、この「特定工業入場券」に当たるチケットを主催者の同意を得ないで販売価格以上で販売することや、そのために他の第三者から「特定興業入場券」に当たるチケットを買うことが禁止されています。
今回のAさんの事例ではどうでしょうか。
Aさんの購入したチケットは、インターネット上で販売された転売禁止の座席指定のチケットであり、Aさんの名前も記載されていることからすれば、チケット不正転売禁止法の定める「特定興業入場券」に当たる可能性が高いです。
Aさんはそのチケットを定価の3倍以上の値段で転売しているので、この行為は不正転売に当たり、チケット不正転売禁止法違反に問われる可能性があるといえるでしょう。
・チケットの転売で他の犯罪も成立する?
今回は、チケット不正転売禁止法に焦点を当てて検討しましたが、不正転売を目的として購入する行為については詐欺罪が成立する可能性もあります。
どういった行為にどの犯罪が成立するのかは、刑事事件や法律の専門的知識がなければ判断することが難しいです。
だからこそ、刑事事件の当事者となってしまったら、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
チケット不正転売禁止法違反事件などの刑事事件にお困りの際は、お気軽にご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件に
盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件に
盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件になりえるということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府綾部市に住んでいる男性会社員Aさんは、以前から盗撮に興味があり、ついに自分で小型カメラを購入すると、近所のファミリーレストランのトイレの個室内にカメラを設置しました。
Aさんは女性の下着姿や下着を脱いでいる姿を盗撮したいと思っていたのですが、
①カメラがうまく作動せず、結局トイレの様子は撮影できていませんでした。
②トイレが男女共用であったこともあり、カメラを仕掛けてからトイレを利用したのは男性客のみであり、盗撮できていたのは男性客がトイレを利用する様子だけでした。
しばらくして、トイレの個室内にカメラがあることに気が付いた客が店員に相談したことがきっかけで京都府綾部警察署に通報され、捜査の結果、Aさんは盗撮のためにカメラを設置した京都府迷惑防止条例違反の容疑で話を聞かれることになりました。
Aさんは、「目的通りのものが撮影できていなかったのに犯罪になるのか」と思い、盗撮事件を含む刑事事件を扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮に関わる迷惑防止条例
多くの盗撮事件では、今回の事例のAさんが容疑をかけられているような迷惑防止条例違反という犯罪が成立します。
迷惑防止条例は、各都道府県ごとに定められている条例で、例えば京都府では「京都府迷惑行為等防止条例」という条例が定められています。
こうした迷惑防止条例では、公共の場所や乗物(都道府県によってはその他の場所も含む)での盗撮行為が禁止されていることが多く、そのため、先ほど触れたように盗撮事件ではこの迷惑防止条例に違反したという犯罪が成立することが多いのです。
当然、盗撮をしようとして目的通り盗撮を成し遂げた場合には、盗撮をしたことによる迷惑防止条例違反となることに不思議はないでしょう。
しかし、今回のAさんの事例の①や②のように、当初の目的とは異なる結果になってしまった場合はどうなるのでしょうか。
①の場合
今回のAさんの事例で①のように、盗撮目的でカメラを設置したものの結果的に撮影ができていなかったような場合は、盗撮できていなかったのだから犯罪とはならないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、京都府迷惑防止条例では、盗撮行為の禁止に関して、未遂罪の規定を置いているわけではありません(未遂罪が処罰されるには未遂罪の規定がなければいけません。)。
しかし、京都府迷惑防止条例には、盗撮行為自体以外の盗撮に関連する行為についても禁止している条文があります。
京都府迷惑防止条例第3条第4項
何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。
「第1項に規定する方法」とは、京都府迷惑防止条例第3条第1項にある「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」のことを指しています。
例えば、今回のAさんの事例のようにトイレの個室内にカメラを設置してトイレを利用する様子を盗撮するといった方法は、一般的に他人に恥ずかしいという感情を持たせたり、不安感や嫌悪感を抱かせたりするような方法と言えるでしょう。
また、「第2項に規定する場所若しくは乗物」とは、京都府迷惑防止条例第3条第2項の「公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」のことを指します。
さらに、「前項に規定する場所」とは、京都府迷惑防止条例第3条第3項の「住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」を指します。
ですから、今回のAさんの事例のような飲食店内のトイレといった場所は、これらの場所に当てはまることになるのです。
そして、これらの方法でこれらの場所に盗撮目的で「みだりに撮影機器を設置」することがこの条文で禁止されているのですから、①のようにたとえ撮影が出来ていなかったとしても迷惑防止条例違反となるのです。
②の場合
今回のAさんの事例の②では、Aさんが盗撮しようと思っていた女性客ではなく、男性客が撮影されています。
「同性だからいいではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、迷惑防止条例では盗撮行為の被害者の性別を限定することはしていません。
ですから、たとえ撮影されたのが同性であっても、盗撮する目的の人物でなくても、盗撮による迷惑防止条例違反は成立することになります。
京都迷惑防止条例第3条第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
京都府迷惑防止条例第3条第3項
何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
当然、被害者感情としても、「同性だから盗撮されてもよい」とはならないでしょうから、容疑に間違いがないのであれば、真摯に被害者対応をしていくことも大切となるでしょう。
盗撮というと、実際に撮影できて初めて刑事事件となるというイメージの方もいらっしゃるかもしれませんが、カメラを設置するだけでも刑事事件化する可能性もあります。
態様によっては迷惑防止条例違反だけでなく、別の犯罪も成立する可能性もありますから、まずは刑事事件の専門家である弁護士に、成立しうる犯罪や対応を聞いてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした盗撮に関連する刑事事件のご相談・ご依頼も承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
飲酒運転を隠すことも犯罪?
飲酒運転を隠すことも犯罪?
飲酒運転を隠すことも犯罪になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市中京区の会社に勤めているAさんは、仕事の行き帰りに自動車を運転していました。
ある日、Aさんは仕事帰りにコンビニエンスストアで酒を購入し、車の中で飲酒しました。
Aさんは、「自宅はすぐ近くにあるのだからこのくらいの距離ならいいだろう」とそのまま飲酒運転をして自宅へ向かいました。
しかし、Aさんは自宅へ着く前に通行人のVさんと接触してVさんに怪我を負わせる人身事故を起こしてしまいました。
Aさんは、このままでは飲酒運転をして人身事故を起こしたということが発覚してしまうと思い、どうにかアルコールの数値を低くしたいと、警察等に通報する前にコンビニエンスストアへ行くと、そこで水を購入し、大量に水を飲みました。
その後、通報によって駆け付けた京都府中京警察署の警察官によって、Aさんは捜査を受けることになったのですが、その際、警察官から「飲酒運転を隠そうとしただろう。それも犯罪になる」と言われたAさんは、「飲酒運転を隠すことも犯罪になるのか」と驚き、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・飲酒運転を隠すこと自体が犯罪に
今回の事例のAさんは、飲酒運転をした上に人身事故を起こし、そこで飲酒運転を隠すためにアルコールの数値を低くしようと水を大量に飲むなどしているようです。
飲酒運転をすることは犯罪となる(道路交通法違反)ことは多くの方がご存知の通りです。
しかし、Aさんは飲酒運転を隠そうとした行為も犯罪となると警察官から伝えられて驚いています。
飲酒運転を隠すこと自体も犯罪となるのでしょうか。
実は、人身事故を起こしてしまった際に成立する犯罪(過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪など)を定めている「自動車運転処罰法」(正式名称「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」)では、過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪という名前の犯罪を定めています。
なかなか耳にすることのない犯罪名かもしれませんが、その条文は以下のようになっています。
自動車運転処罰法第4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。
簡単に説明すると、自動車の運転に影響が出る程度の飲酒運転をして人身事故を起こした場合に、飲酒運転の発覚を免れるためにさらに飲酒を重ねたり水を飲むなどしてアルコール数値を減らしたりするなどすることで成立するのが、この過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪です。
今回のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こし、その後にアルコールの数値を減らすために大量の水を飲む行為は、まさにこの過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪となります。
過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪は、いわゆる「逃げ得」=飲酒運転をして人身事故を起こした場合、その場から逃げるなどして飲酒運転が発覚しないようにした方が、成立する犯罪によって受ける可能性のある刑罰の重さが軽くなってしまうというケースをなくすために作られた犯罪です。
飲酒運転の度合いによっては、人身事故によって問われる犯罪が危険運転致死傷罪という最長で20年の懲役が科せられる犯罪に問われることになりますが、逃げて飲酒運転の発覚を免れればひき逃げと過失運転致死傷罪が成立するにとどまり、その場合は最長で15年の懲役となることから、「(逃げて)飲酒運転の発覚を免れた方が得」とされてしまいます。
そういったことを防ぐために、人身事故後に飲酒運転の発覚を防ごうとすることも犯罪としたのが過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪なのです。
つまり、よく知られている飲酒運転自体だけでなく、その飲酒運転を隠す行為も、場合によっては重い罪となることがあるということなのです。
単なる飲酒運転の場合には被害者は存在しませんが、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱事件となると、人身事故に遭われた被害者が存在します。
ですから、弁護活動でも被害者対応などを含んだ迅速かつ丁寧な活動が求められます。
どういった犯罪の容疑がかけられていて、どのような弁護活動が必要なのかをきちんと把握して刑事手続きに臨むことが大切ですから、まずは弁護士の話を聞いてみることがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕された方向けの初回接見サービスから、在宅で捜査を受けている方向けの初回無料法律相談まで幅広く対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

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自宅に放火して逮捕
自宅に放火して逮捕
自宅に放火して逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
~事例~
京都府南丹市在住のAさんは、自宅が老朽化している状態にもかかわらず、以前と同じように税金を納めることに嫌気がさしていました。
そこで、Aさんは自宅を解体して土地を売りに出すことを思いついたのですが、自宅が木造住居であったことから、解体費用の節約のため燃やすことによって解体してしまおうと思いつきました。
そして、Aさんは妻子には自宅を燃やすことを知らせずに適当な話をして別の家に泊まらせると、自宅に火を放ち、自宅を全焼させました。
当日、自宅の周りには他人の住居はなく、Aさんが自宅に火を放った当時周りに延焼するおそれはありませんでしたが、Aさんの自宅から上がる煙を発見した地域の住民が京都府南丹警察署に通報。
消防車やパトカーが駆け付ける事態となり、自宅の燃える様子を見ていたAさんは、現住建造物等放火罪の容疑で逮捕されることとなってしまいました。
Aさんは、「中に人もいなかったし、燃え移る心配もなさそうだった。何よりこれは自分の家なのだからどうしようと勝手なのではないか」と思い、家族の依頼を受けて接見にやってきた弁護士に、詳しいことを相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・放火罪と放火の対象物
放火罪という犯罪は、実は何種類かに分けられています。
その大まかな違いは、何に対して放火したかという、放火の対象物の違いです。
例えば、今回の事例のAさんは、自身の自宅という建造物に対して放火していますが、刑法の放火罪では、その建造物が①現住性ないし現在性があるもの、②①がなく非現住ないし非現在とされるものとを区別しています。
そして、その区別によって分けられた放火罪が以下の①現住建造物等放火罪と②非現住建造物等放火罪です。
①現住建造物等放火罪
刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
②非現住建造物等放火罪
刑法第109条第1項
放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。
以上に加えて、非現住建造物等放火罪については、刑法第109条第2項において、それが自己の所有しているものであり、公共の危険を生じなかったといえれば、罰しないと規定されています。
刑法第109条第2項
前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。
ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。
今回のAさんのように、自分の所有する建造物に放火した場合、その建造物に現住性があるかどうかによって、どちらの犯罪が成立し、どのくらいの重さの刑罰を受ける可能性があるのかが大きく異なってくることが考えられます。
つまり、放火罪において、建造物に現住性が認めれるかどうかが重要になってきます。
では、本事例のAさんにはどういった放火罪が成立するでしょうか。
まずは、現住性以外の点について検討してみましょう。
建造物に関する放火については、法文から、①放火し、②建造物を焼損したことが必要だと考えられます。
本件で、Aさんの自宅は「建造物」であることは間違いないでしょう。
さらに、Aさんは火を放っており①「放火」したといえます。
また、②焼損したとは、火が媒介物を離れ独立して燃焼継続しうる状態に至ることをいうと解されていますが、Aさんの自宅は全焼しているので、この要件についても認められると考えられます。
このことから、Aさんは建造物に放火したことによる放火罪は成立すると考えられるものの、Aさんの自宅に現住性があるのかどうかによってその罪名が現住建造物等放火罪になるのか、非現住建造物等放火罪になるのかが変わりそうだということが分かります。
では、次に、Aさんの自宅が「現住性」を有するかどうかを検討してみましょう。
そもそも、建造物の現住性はどういった場合に認められるのでしょうか。
現住建造物等放火罪において「現に人が住居に使用」している場合とは、放火行為当時に犯人以外の人が起臥寝食の場所として使用している場合をいい、また、放火当時に人が現在する必要はないと解されています。
つまり、現住性については、放火当時その建造物内に人がいるという状況だけでなく、建造物を「人が起臥寝食の場所として使用している」抽象的可能性があればよいということとなります。
これを踏まえると、今回の事例では、Aさんは、妻子には放火に関して何も告げずに自宅に放火していることから、Aさんの妻子は日常住居とする意思があり使用形態に変更はなかったといえるので、現住性が認められる可能性が出てきます。
そうなると、Aさんには現住建造物等放火罪が成立する可能性が出てくると考えられるのです。
現住建造物等放火罪は、刑罰に死刑・無期懲役が含まれていることから、起訴されれば裁判員裁判になる重大犯罪です。
裁判員裁判は通常の刑事裁判手続きとは異なる手続きも多く、手続きが分からずに困惑してしまう方もいらっしゃるでしょう。
だからこそ、刑事事件に精通した弁護士のサポートを早いうちから受けておくことが重要です。
「自分の所有している建物だから自分の意思で放火する分には問題ない」と考えていても、その建造物の状況次第ではこれほど重大な犯罪が成立してしまう可能性があります。
もしも自宅など自身の所有する建造物への放火事件で刑事事件の当事者となってしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。
刑事事件専門の弁護士が、被疑者・被告人ご本人やそのご家族の疑問や不安の解消に努めます。
まずはお気軽にお問い合わせください(0120-631-881)。

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直接お金を奪わなくても強盗罪に?
直接お金を奪わなくても強盗罪に?
直接お金を奪わなくても強盗罪になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市東山区にあるVさん宅に忍び込むと、Vさんのクレジットカードを盗み出しました。
そして、AさんがVさん宅から立ち去ろうとした際に、帰宅したVさんに出くわしました。
Aさんは、Vさんにナイフを突きつけると、盗み出したクレジットカードの暗証番号を聞き出し、その場を去りました。
その後、Vさんの通報によって京都府東山警察署の警察官が捜査を開始。
Aさんは、京都府東山警察署に強盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、「お金を脅して奪ったわけでもないのに強盗罪になるのか」と疑問に思い、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・強盗利得罪
強盗というと、金銭や財物を脅し取るイメージが強いでしょう。
しかし、強盗罪には刑法第236条第1項で定められた暴行や脅迫を手段として財物の占有を得る形態のほかに、同法同条第2項の財産上不法の利益を得る類型が存在します。
この第2項の規定に該当する強盗罪を特に2項強盗罪や強盗利得罪と呼ぶこともあります。
刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
財産上の利益とは、人の財産の中で財物を除くすべてをいうとされます。
現在、財物は有体物(三態をとって空間の一部を占める物)であるという有体物説が通説となっており、この解釈に従うと、財産上の利益は有体性をもたない無形の財産ということになります。
財産上の利益に当たるものとしては、債権を取得すること、債務の履行を免れること、財産的情報、ノウハウ、企業秘密、重要なデータを取得することなどが挙げられます。
大まかにいえば、強盗罪は、刑法第236条第1項で有形の財産=「財物」に対する強盗行為を、同法同条第2項で無形の財産に対する強盗行為を規制しているということになります。
つまり、よく想像される物理的に金品を奪っていく強盗が第1項の強盗罪、そうではなく利益などの無形の財産を得る強盗が第2項の強盗罪=2項強盗罪や強盗利得罪と呼ばれる強盗罪ということになるのです。
今回のケースでは、AさんはVさんのクレジットカードを盗んだ上で、帰宅したVさんを脅して暗証番号を聞き出しています。
Aさんが盗み出したクレジットカードは有体物であり財産的価値もあるでしょうから「財物」に当たるでしょう。
では、Aさんが脅迫を用いてVさんから聞き出した暗証番号はどうなるのでしょうか。
暗証番号は物として実態があるわけではないため、「財物」には当たらないと考えられます。
そして、クレジットカードや銀行口座などの暗証番号は、それだけでは何の役にも立たない財産的価値のないものといえます。
しかし、暗証番号はクレジットカードによる決済や銀行からの払戻しを受けるために役立つ情報であり、このように特定の状況下で一定の財物を取得するための手段としての価値をもっているため、これを財産上の利益となし得るかどうかが争われています。
過去の高裁判例では,今回のケースと似た事案で、キャッシュカードを窃取した被告人が被害者に包丁を突き付けて同人名義の預金口座の暗証番号を聞き出したという事件について、口座から預金の払戻しを受ける地位という財産上の利益を得たとして強盗利得罪の成立を認めたものがあります(東京高裁判平成21.11.16)。
この高裁判例が強盗利得罪の成立を認める判断は、行為者がいまキャッシュカードを有し、ATMが付近に存在するという状況があり、そのことによってはじめて暗証番号に関する情報が具体的な利益性をもつに至っているというもので、単に暗証番号を聞き出すことが直ちに財産上の利益を得ることと評価されるわけではないため、注意も必要ですが、こういった判断がされる可能性もあるということです。
今回のケースでは、Aさんは既にVさんのクレジットカードを有しており、その状態で暗証番号を聞き出していることから、高裁判例の考えによって強盗利得罪の成立が認められる可能性があります。
・事後強盗罪
今回のケースのAさんとVさんの具体的な状況によっては、強盗利得罪が成立しなかったとしても、事後強盗罪(刑法第238条)が成立する可能性があります。
刑法第238条
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪は窃盗犯人が窃取した財物を取り返されたり、捕まることを避けたり、あるいは犯罪の痕跡を隠滅したりするために暴行・脅迫を行った場合に成立する罪で、その法定刑は強盗罪と同じく5年以上の有期懲役です。
今回のケースでは、AさんはVさんにナイフを突きつけ脅していますが、この脅迫行為が、すでに盗んでいたクレジットカードを取り返されたり、捕まることの回避や罪証隠滅のために行われたとすると、クレジットカードを盗んだ行為と合わせて事後強盗罪に当たるとされるおそれがあるのです。
暴行・脅迫によって財物でないものを手に入れたとき、それが財産上の利益といえるかどうかは罪名および科刑上大きな違いを生みます。
どの行為がどの犯罪になるかということも含めて、その分析には刑事事件に関する専門的な法的知識が必要となります。
さらに、今回のAさんのケースのように逮捕・勾留を伴う捜査が行われている場合には、身体解放のための弁護活動も考えられますが、そのためには刑事事件に強い弁護士にいち早く相談し,適切な対応を行っていくしかありません。
対応が遅れると刑事手続が進行し、取り返しのつかない事態に陥ってしまう可能性もあります。
どういった場合にせよ、刑事事件の当事者となってしまったら、早期に弁護士に相談してみることが重要でしょう。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士による初回無料法律相談だけでなく、逮捕・勾留中の方に向けた初回接見サービスも受け付けています。
強盗事件などの重大な刑事事件についてのご相談・ご依頼も受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください(0120-631-881)。

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京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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京都府亀岡警察署に自首したい
京都府亀岡警察署に自首したい
京都府亀岡警察署に自首したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府亀岡警察署は、京都府亀岡市で発生した人身事故について、過失運転致傷事件として捜査を行っていましたが、未だ犯人を特定するに至っていませんでした。
この人身事故を起こしてしまったAさんは、自首すべきかどうか1人でずっと悩んでいましたが、ついに意を決して京都府亀岡警察署に自首することにしました。
そこでAさんは、自首の前にすべきことはあるのか、刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・自首について
自首とは、犯罪を犯した者が、捜査機関に発覚する前に自ら進んで捜査機関に自己の犯罪事実を申告しその処分にゆだねる意思表示のことをいいます。
自首は刑法第42条第1項によって刑の減軽事由とされています。
刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
ちなみに、刑法第42条第2項によって、親告罪については告訴権者に自己の犯罪事実を申告しその措置にゆだねた場合(首服といいます)も減軽事由とされています。
自首について定めた条文では、「捜査機関に発覚する前」に自首することが自首成立の要件とされています。
今回の事例のAさんは、自身が人身事故を起こした犯人であると警察に発覚する前に自分が人身事故を起こしたという事実=自己の犯罪事実を申告しようとしていますが、この場合も「捜査機関に発覚する前」として自首に当たると考えられます。
もちろん、そもそも犯罪事実がまったく捜査機関に発覚する前に発覚する前であっても自首が成立します。
他にも、捜査機関による質問や取調べの段階で捜査機関に発覚していない余罪を自供した場合なども自首に当たると考えられます。
ただし、被疑者となっている犯罪事実について自身の犯行を認めるような場合は「捜査機関に発覚する前」に当たらなかったり自発的申告でないとして自首が成立しません。
つまり、すでに警察などの捜査機関から犯人であると疑われていたり目星を付けられているような状態で自ら出頭したとしても、刑法の定める「自首」の成立とはならない場合があるということです。
自首の要件である自発性や「捜査機関に発覚する前」に当たるかどうかはかなり厳しく考えられていますので、自首するつもりで警察などに出頭した場合でも実は自首が成立しないといった事態も大いにあり得ます。
さらに、自首や首服は刑の減軽事由ですが、「その刑を減軽することが『できる』」とされている通り、あくまで任意的減軽事由にすぎないため、自首等を行ったからといって必ずしも減軽されるわけではありません。
このように、自首したところで必ずしも自首減軽が適用されるわけではなかったり、そもそも自首が成立しない場合もあるといったことから、これらをリスクと捉え自首することに消極的になる方が少なからずいらっしゃることかと思います。
しかし一方で、発覚を免れようと逃げることで、事件や犯人が発覚した場合には逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されてしまうリスクが高まり、起訴されてしまった際には量刑にも悪影響を与えかねないという側面もあります。
ですが、自首の成否にかかわらず、自己の犯罪事実を申告したことは、事件の内容なども考慮しなければなりませんが、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないとして逮捕を回避できる要因となりうるほか、たとえ自首減軽として適用されなくても被疑者に有利な情状として不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることが期待できます。
自首することには慎重にならないといけませんが、自首が成立するかどうかという点や自首した後に踏まれることが予想される刑事手続など、どのように対応したらよいのかといったアドバイスを事前に弁護士に相談して受けておくことが望ましいです。
犯罪を犯してしまった方以外でその不安があるにすぎないという場合も、刑事事件に強い弁護士に相談していただくことで疑問や不安を解消することができるかもしれません。
なるべく早めに対応しなければ捜査が進んで自首が成立しない段階になってしまったり、示談その他の解決に向けた手段をとることが現実的でなくなったりすることもあり得ますので、まずはお早めにご相談していただくことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回の法律相談を無料で行っていますので、自首についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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赤ちゃんの死体遺棄事件を弁護士に相談
赤ちゃんの死体遺棄事件を弁護士に相談
赤ちゃんの死体遺棄事件を弁護士に相談したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市上京区に住んでいる女子学生Aさん(20歳)は、妊娠していましたが、赤ちゃんの父親が分からなかったこともあり、妊娠したことを言い出せずにいました。
そうこうするうちに、Aさんは京都市上京区のスーパーの女子トイレで赤ちゃんを出産してしまいましたが、赤ちゃんが泣かなかったこともあり、怖くなったAさんは赤ちゃんをそのまま放置してその場から逃げてしまいました。
その後、スーパーの利用客がトイレに放置された赤ちゃんの遺体を発見し、通報。
通報を受けた京都府上京警察署はスーパーや周辺の監視カメラの映像などから同区内に住む赤ちゃんの母親であるAさんを死体遺棄罪の容疑で逮捕しました。
Aさんの家族は驚き、弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・死体遺棄罪
死体遺棄罪は死体損壊等罪として刑法第190条に規定されています。
刑法第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、領得した者は、3年以下の懲役に処する。
今回のケースでは赤ちゃんの遺体が発見されています。
刑法上、胎児と人とは区別され、胎児が母体から一部露出した段階で人は出生したものとする一部露出説が判例(大判大正8・12・13刑録25輯1367頁)および通説となっています。
母胎内で死亡した子(死胎)についても、過去の判例では、人の形態を備えるに至り、これを葬祭する程度に達したときは、これを尊敬すべきことは普通の死体と異なるところはないとして、妊娠4ヶ月以上の死胎も死体損壊等罪にいう死体に当たるとしたものがあります(大判昭和6・11・13刑集10巻597頁)。
遺体が見つかり警察に通報されると、遺体について検視が行われることになります。
検視により、遺体の身元を確認したり、犯罪の有無が判断されます。
赤ちゃんの死体である場合、自殺の可能性はほとんど排除されますので、何者かがその場所に遺棄したとして捜査が開始されることが多いです。
おそらく、今回のケースもそのようにして捜査が開始され、Aさんの逮捕に至ったものだと考えれらます。
・余罪の捜査
刑事事件で逮捕されると、最大で72時間もの間にわたって身体拘束状態に置かれます。
さらに勾留によって最大20日間拘束が続くことも考えられます。
警察ではこの期間で被疑者の取調べやその他の捜査活動を行います。
逮捕されてしまっていると外部とのやりとりはかなり困難になります。
会社への連絡はおろか家族と会うことも難しくなることが考えられます。
死体遺棄事件では殺人罪(刑法第199条)や傷害致死罪(刑法第205条)などの余罪がないかも含めて捜査されることが多いです。
外部とのやりとりができない閉鎖的な状態に長時間置かれたまま警察の取調べを受けることはかなりの苦痛と困難をともないます。
そのため、できるだけ早い段階で解放してもらえるよう、弁護士に事件を依頼することが重要になります。
また、弁護士のアドバイスを受けられることで,死体遺棄罪について起訴される可能性を低減させたり、余罪がある場合でも供述する内容や態度について適切な行動をとれるようになり、やはり不起訴処分を得られる可能性を高めることができる場合があります。
弁護士は外部とのやりとりを補助することもできます。
弁護士と接見し、自分の意思や家族からの伝言などを伝えるほか、会社にばれないようできるだけ配慮することも可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件を専門とする法律事務所です。
所属する弁護士は多数の刑事事件を経験した刑事事件のエキスパートです。
死体遺棄罪の被疑者となってしまった方、ご家族やご友人が逮捕されてしまってお困りの方は、お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?
ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?
ホテルでデリヘル嬢の盗撮をした場合に何罪が成立するのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府木津川市のホテルに宿泊していたAさんは、デリヘル店に連絡すると、デリヘル嬢Vさんを読んでサービスをしてもらうことにしました。
Aさんは、デリヘル嬢がサービスを行う様子をこっそり盗撮して後で見返そうと考え、Vさんがホテルに来るまでにホテルの室内に盗撮用の小型カメラを仕掛けました。
そしてデリヘル嬢Vさんがホテルに到着し、Aさんの部屋で服を脱ぐなどしてサービスをする様子をこっそり盗撮しました。
しかし、Vさんがサービスを終えて帰るという段階になって、部屋に仕掛けられたカメラにVさんが気付き、Aさんの盗撮行為が発覚。
Vさんの通報によって、Aさんは京都府木津警察署に盗撮事件の被疑者として話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・ホテルでの盗撮は何罪?
盗撮事件は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にも多くご相談が寄せられる刑事事件の1つです。
小型のカメラが簡単に入手できる環境になっていることや、ほとんどのスマートフォンにカメラ機能がついていることなどから、やろうと思えば簡単に盗撮行為ができてしまうのかもしれません。
そうしたことから、盗撮事件は比較的身近に起こり得る刑事事件であるため、盗撮という行為が犯罪であることや、どういった行為が一般的に盗撮と言われているのかをご存知の方も多いでしょう。
しかし、日本には「盗撮罪」という犯罪があるわけではないため、盗撮行為によって成立する犯罪名に「盗撮」という言葉が使われるわけではありません。
盗撮行為の態様や、どういった場所で盗撮行為が行われたかといった事情を考慮し、その事件の事情に当てはまる犯罪が成立するのです。
例えば、多くの都道府県の迷惑防止条例で盗撮行為に関する規制が定められていますが、その内容は都道府県ごとに異なるため、盗撮が行われた都道府県がどこか、また盗撮が行われた場所がどこなのかということによって迷惑防止条例での規制の対象となったりならなかったりするのです。
今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、ホテルの室内で、デリヘル嬢Vさんがサービスをする様子を盗撮していたようです。
ホテルがあったのは京都府木津川市ですから、迷惑防止条例が適用されるとすれば、京都府の迷惑防止条例が適用されることになります。
では、京都府迷惑防止条例の盗撮行為に関する条文を確認してみましょう。
京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
第4項 何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。
まず、京都府迷惑防止条例第3条第2項で規制されている盗撮行為は、「公共の場所」や「公共の乗物」、「不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」で行われたものに限定されています。
電車や駅などで行われた盗撮行為や、学校の教室などで行われた盗撮行為は、この条文によって規制されています。
そして、京都府迷惑防止条例第3条第3項では、先ほど挙げた「公共の場所」等だけではなく、住居や宿泊の用に供する施設の客室=ホテルの部屋なども規制の対象としています。
つまり、駅や電車などの公共性のある場所や開かれた場所だけでなく、ホテルの一室などの私的な空間での盗撮行為もこの迷惑防止条例で規制しているのです。
今回のAさんは、ホテルの一室でデリヘル嬢Vさんがサービスを行っている様子を盗撮していますが、Vさんが服を脱いでデリヘルのサービスをしている様子は、京都府迷惑防止条例第3条第3項にある「着衣の全部又は一部を着けない状態」であるといえるでしょうから、Aさんにはこの条文に違反したことによる京都府迷惑防止条例違反が成立すると考えられるのです。
なお、もしもAさんの仕掛けたカメラが不具合などで映像や画像を記録できていなかったとしても、京都府迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置することも禁止していることから、盗撮ができていなかったからといって処罰されないということではないことも注意が必要です。
今回の事例では、盗撮事件が起こった都道府県が京都府であったため、迷惑防止条例の中にホテルの一室が含まれていたことで迷惑防止条例違反となるだろうと考えられますが、別の都道府県ではホテルの一室が迷惑防止条例の規制対象とならない事もあります。
当事者だけで自分の盗撮行為がどういった犯罪になり得るのか判断することは難しいですから、弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件などの性犯罪についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
ホテルでの盗撮事件や、風俗トラブルの絡んだ刑事事件についても、お気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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いやがらせでパンク 器物損壊事件を相談
いやがらせでパンク 器物損壊事件を相談
いやがらせで車をパンクさせて器物損壊事件となったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
~事例~
京都市左京区に住むAさんは、近所に住んでいるVさんが高級外車に乗っている姿を見て、自分に見せびらかしているのではないかと思うようになりました。
そこで、ある日、酒に酔ったAさんは、Vさんへのいやがらせをしようと思い立ち、Vさんの高級外車の右前輪を五寸釘でパンクさせました。
しかし、Vさんは防犯カメラを設置しており、高級車がパンクしていることが判明した後、この防犯カメラの映像を確認しました。
すると、Aさんが写っており、Aさんがパンクさせた犯人だと判明しましたが、Aさんとは長い付き合いであったため、Vさんは、被害届を一旦出さないこととしました。
他方、Aさんは酒の勢いに任せてVさんの車をパンクさせたものの、逮捕されたり、前科を付けたりしたくないと考えたことから、どうにか穏便に済ませられないか、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・いやがらせで器物損壊事件
今回のAさんは、いやがらせで車をパンクさせているようですが、こうした行為には器物損壊罪が成立すると考えられます。
刑法第261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
まず、Aさんがパンクさせた高級外車はVさんの所有物ですので、器物損壊罪の対象となる「他人の物」にあたることは明らかでしょう。
次に器物損壊罪の「損壊」とは、物の効用を害する行為と解されています。
これは物理的に破壊しない態様の行為についても広く含むもので、例えば皿に放尿する行為(大判明治42.4.16)や公選法違反のポスターにシールを張る行為(最決昭和32.4.4)についても、物理的な破壊が伴わないものの物本来の使用を不可能ないし著しく困難にしている点で「損害」にあたるとされています。
本件ではAさんは五寸釘を用いてVさんの高級車のタイヤをパンクさせて車の走行をできなくさせているので、Aさんの行為は器物損壊罪の「損壊」にあたるといえるでしょう。
これらのことから、Aさんがいやがらせとして行ったVさんの車をパンクさせる行為は、器物損壊罪にあたる行為といえます。
・Aさんはどうすべき?
以上の通りAさんの行為に器物損壊罪が成立するとして、穏便に済ませたいと考えているAさんは今後どのような行動をとるべきでしょうか。
事例におけるAさんの状況は、被害者Vさんに被害届が出されておらず、いまだ刑事事件化していないというものです。
したがって、Aさんとしてはまず被害者に被害届の提出等しないようにしてもらうということが先決でしょう。
器物損壊罪は刑事告訴が公訴提起の条件である親告罪(刑法第264条)であるので、被害者が捜査機関に被害を訴えたり刑事告訴しない旨の合意をめざし示談交渉することが重要となります。
刑事事件化前に当事者間で示談締結ができれば、捜査を受けるなどの心配をする必要はなくなります。
本事例では、上記合意を得るために、慰謝料や被害品が高級外車のタイヤに修理に係る弁償費などの示談金を支払うことが条件となりそうです。
とはいえ、不当に高い示談金を支払う必要はなく、適切な示談額となるよう被害者と上手に交渉する必要があります
このような交渉は当事者同士で行うと、逆に話がこじれて関係が悪化してしまったり、せっかく話がついても法律的に正しい示談が締結出来なかったりするリスクがありますから、弁護士に依頼することが望ましいといえます。
もちろん、被害届の提出などによって刑事事件化してしまった場合でも、示談の締結によって不起訴処分の獲得を目指すことができますから、いずれにせよ早い段階で弁護士に相談・依頼をして対応していくことが必要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、器物損壊事件などの刑事事件を専門に扱っています。
いやがらせ行為から刑事事件に発展しそうでお困りの際は、まずはご相談ください。

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