「あいつはヤクザ」などと名誉を毀損する内容の投稿をSNSにした疑いで逮捕された事例

「あいつはヤクザ」などと名誉を毀損する内容の投稿をSNSにした疑いで逮捕された事例

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「あいつはヤクザ」などと名誉を毀損する内容の投稿をSNSにした疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事件概要

京都府中京警察署は、京都市内で飲食店を経営する男性A(56)を名誉毀損罪の疑いで逮捕した。
Aは、自身の店の常連客の一人で、何かと理由をつけてクレームを言ってくるBに日頃からストレスを感じていたところ、ある日提供したビールがぬるいから会計を安くしろなどと難癖をつけてきた。
腹を立てたAは、SNS上で「Bはヤクザ。2度とくるな」などとBの名誉を毀損する内容の投稿をしてしまった。
Bから被害届を提出されたことをきっかけに捜査が開始し、Aは逮捕された。
(フィクションです)

名誉棄損罪

刑法230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

本件では、AはBの名誉を毀損した疑いが持たれています。
Aがした「Bはヤクザ。2度とくるな」という内容の投稿は、「公然と」「事実を摘示して」人の名誉を棄損したといえるのでしょうか?

判例によれば、「公然と」とは、摘示された事実を不特定または多数人が認識しうる状態をいいます(最判昭和36年10月13日)。
不特定とは、相手方が限定されていないという意味です。
多数人とは、具体的な数は規定されていませんが1、2人では多数とはいえないでしょうから、相当の数を必要としていると考えられます。

本件では、Aは日頃から難癖をつけてくるBに腹を立てていたところ、怒りが限界に達し「Bはヤクザ」という内容の投稿をしてしまったようです。
SNSに投稿された内容は、だれでも見ることができますからBがヤクザだとするAの投稿は、不特定の人が認識しうる状態にあったといえます。
したがって、Aは、人の名誉を「公然と」棄損したとされる可能性があります。

次に、「事実を摘示」したといえるかも問題となります。
名誉毀損罪における事実とは、事実証明の対象となりうる程度に具体的であり、かつ、それ自体として人の社会的評価を低下させるような事実をいいます。

本件で、Aが投稿した「Bはヤクザ」という内容は、真実かどうか証明の対象となりうる程度に具体的です。
さらに、公然と「Bはヤクザ」だと言われることで、周りの人からBさんは関わってはいけない悪い人だと思われて社会的評価が低下する可能性があります。

以上より、Aは、公然と事実を摘示して人の名誉を棄損したとして、名誉棄損罪が成立する可能性があります。

なお、条文の規定上、名誉棄損罪の成立には、実際にBの名誉が棄損されたことが必要であるかのように読めます。
しかし、判例によれば、被害者の名誉が現実に棄損されたかどうかの判断は非常に困難ですから、被害者の名誉が現実に侵害される必要はありません(大判昭和13年2月28日)。

できるだけ早く弁護士に相談を

名誉棄損罪は、親告罪と言って、検察官が起訴するために被害者などの告訴が必要とされます(刑法232条)。
起訴されることで、かえって、被害者の名誉が侵害されるおそれがあるためです。
したがって、告訴前であれば、真摯に謝罪することで告訴はしないという内容の示談をまとめることが重要です。
仮に、すでに告訴されている場合は、起訴前に告訴を取り消してもらえるかどうかが非常に重要になってきます。
なぜなら、告訴の取下げに成功すれば、不起訴処分となり前科がつくこともないからです。

名誉を毀損された被害者は、自分の社会的な評価を下げさせかねない発言をしてきた加害者に対して、被害者は強い処罰感情を抱いている可能性が高いです。
したがって、加害者が直接相手方と示談交渉をすることは得策ではありません。
本件の場合、被害者は何かと難癖をつけてくる相手のようですから、告訴の取り下げと引き換えに法外な示談金を請求される可能性があります。

そこで、示談交渉のプロである弁護士に示談交渉をお任せすることをおすすめします。
被害者も弁護士相手であれば、冷静に示談交渉に応じてくれる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、名誉毀損事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行い、告訴を取り下げてもらうことで不起訴処分を得ることができる可能性があります。
一度起訴されてしまうと、告訴を取り下げることはできません。
ですので、可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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