抵抗されなかったから同意があると思い、性行為をして不同意性交等罪の容疑で逮捕された事例②

抵抗されなかったから同意があると思い、性行為をして不同意性交等罪の容疑で逮捕された事例②

逮捕される男性

前回のコラムに引き続き、同意があったと誤認して不同意性交等罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

Aさんは京都市中京区に住む友人のVさんの家で2人でお酒を飲んでいました。
アルコールが入って気が大きくなったAさんは以前から好意を抱いていたVさんと性行為をしたいと思い、Vさんを押し倒し、腕を押さえつけて服を脱がせました。
AさんはVさんに逃げ出したり暴れたりなどの抵抗をされなかったため、Vさんが性行為に同意していると考え、性行為に及びました。
翌日、VさんはAさんに無理やり性行為をされたとして京都府中京警察署に被害届を提出し、Aさんは不同意性交等罪の容疑で逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)

逮捕と釈放

刑事事件では逮捕されると72時間以内勾留の判断が行われます。
勾留は犯人だと疑うのに足りる相当な理由があって、定まった住居がなかったり、逃亡や証拠隠滅を疑うに足りる相当な理由がある場合などになされます。(刑事訴訟法第60条1項)

今回の事例では、容疑者であるAさんが被害者であるVさんの住居を知っている状態です。
2人きりでVさんの家で一緒に飲む間柄ですから、AさんはVさんの連絡先なども知っている可能性が高いでしょう。
AさんがVさんの住居や連絡先を知っている状況であれば、AさんがVさんに接触することは容易です。

刑事事件では犯行に使用した物的証拠以外にも、容疑者や被害者本人の供述も証拠となります。
ですので、容疑者が被害者に接触して供述内容を変更させる行為は証拠隠滅にあたります。
先ほど解説したように、今回の事例の容疑者であるAさんは被害者のVさんに接触することは容易であり、証拠隠滅も用意であると考えられます。
こういった場合には、証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高く、勾留が決定してしまうおそれがあります。

勾留は最長で20日間にも及びます。
勾留期間中は当然、仕事や学校には行けません。
出勤や出席ができないことで、解雇や退学につながってしまうかもしれません。
解雇や退学などの不利益が生じないようにするために、弁護士は検察官や裁判官に対して容疑者を勾留しないように求めることができます。

繰り返しになりますが、勾留逮捕後72時間以内に判断されます。
勾留をしないように求める書面である勾留請求に対する意見書は、勾留が判断されるまでに提出しなければ意味がありません。
ですので、勾留請求に対する意見書は遅くとも逮捕後72時間までに提出する必要があり、時間との勝負になります。
弁護士が勾留されることで不利益が生じてしまうこと、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことなどを主張することで釈放が認められる可能性があります。
早期釈放を目指す場合には、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることがのぞましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
ご家族が不同意性交等罪などの容疑で逮捕された場合には、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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