身近な犯罪の一つとして、万引きがあります。
万引きを行った場合、どのような罪が成立するのでしょうか。
今回のコラムでは、万引きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは、京都市東山区にあるコンビニでお菓子を万引きしました。
店を出た直後、Aさんはコンビニの店員に呼び止められ、店長と話しをすることになりました。
その後、店長は京都府東山警察署に万引きがあったことを通報し、Aさんは京都府東山警察署の警察官に話を聞かれることになりました。
(事例はフィクションです。)
窃盗罪とは何か?
窃盗罪は、刑法第235条によって定義されています。
この法律には、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています。
簡単に言えば、他人の財物を無断で取る行為が窃盗罪とされています。
万引きと窃盗罪の関係
一般的には店舗で商品を買わずに無断で持ち出すこ行為を万引きといいます。
しかし、法的にはこの万引き行為は「窃盗罪」に該当します。
つまり、万引きを行った場合、独立した「万引き罪」というものは存在せず、窃盗罪が成立するのです。
今回の事例のAさんは、コンビニで万引きをしていますので、窃盗罪が成立することになります。
この点が一般的な認識と異なる場合が多く、万引きを軽い犯罪と考えがちですが、実際には窃盗罪として法的に厳しく取り扱われます。
窃盗罪の罰則は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
万引きの場合であっても窃盗罪として裁かれる以上、上記のような刑罰が科される可能性があります。
このように、万引きによって窃盗罪が成立した場合、その罰則は決して軽くはありません。
また、万引きをした状況や背景によっては、さらに厳しい罰が科される場合もあります。
例えば、高額な商品を狙った万引きや、転売目的での万引きは、一般的な万引きよりも罰が重くなる可能性があります。
このように、万引きと窃盗罪は密接な関係にあり、万引き行為がどのような目的状況で行われたかによって、その後の法的処分が大きく変わることがあります。
万引きと悪影響
会社員が万引きをした場合に、万引きをしたことを会社に知られると、解雇されてしまう可能性があります。
万引きは軽い犯罪だと捉えられがちですが、被害額が高額だったり、世間の目を引くような物珍しい犯罪内容である場合には、万引きであっても報道される可能性が高いです。
報道されると会社に事件のことを知られるリスクがありますし、逮捕された場合には長期間会社に出勤できないことで万引きをしたことや逮捕されたことを会社に知られてしまうおそれがあります。
また、学生が万引きをした場合にも、学校に万引きしたことを知られることによって、退学や停学になってしまうおそれがあります。
万引きをすることで、窃盗罪で有罪になった場合には、前科が付くことになりますから、就職や転職活動にも悪影響を及ぼす可能性があります。
窃盗罪と罰則
窃盗罪に対する罰則は、刑法第235条に明確に規定されています。
具体的には、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされています。
懲役刑と罰金刑どちらが科されるのかは、前科前歴、余罪、被害額などから総合的に判断されます。
例えば、万引きしたものが高額な財物であった場合や、転売目的で万引きした場合、万引きの前科がある場合には、科される罰則がより重くなる可能性があります。
また、被害者との示談が成立した場合や、初犯である場合などは、罰則が軽減される可能性も考えられます。
さらに、窃盗罪で有罪となった場合、その後の社会復帰も困難になることが多いです。
具体的には、前科があることが、就職や転職の際に悪く評価される可能性が高いです。
企業は前科がある人を進んで取りたがらないでしょうから、就職や転職活動が難航するおそれが非常に高く、希望する職種に就けない可能性があります。
事例のAさんはコンビニでお菓子を万引きしていますが、万引きしたものがお菓子であろうと、窃盗罪で有罪になる可能性がありますので、前科が付いてしまうおそれは十分にあります。
被害額が数百円だからといって窃盗罪が成立しなくなるわけではありませんので、上記のように会社の解雇や学校の退学処分、その後の就職、転職活動に悪影響を及ぼす可能性は非常に高いです。
たった一度の万引きで将来を棒に振ってしまうおそれがありますので、万引きを軽い犯罪だと捉えるのは極めて危険だといえます。
被害弁償と示談の可能性
万引きなどの窃盗罪の場合は、被害者と示談を締結することで、不起訴処分の獲得を目指せる可能性があります。
万引きの場合、被害者は万引きをした店舗になるので、その店の責任者と示談を締結することになります。
店相手の示談交渉の場合、断られてしまうケースが多いです。
ですが、弁護士が連絡を取り、被害者がしっかりと反省をしていることを伝えることで、示談を締結してもらえる場合があります。
ですので、万引きで示談を考えている場合は、弁護士に相談をすることをお勧めします。
転売目的の万引きとその重罪性
万引きが単なる衝動的な行動でなく、転売目的で行われた場合、その罪の重さは一層増します。
転売目的での万引きは、通常の万引きに比べて悪質性が高いと判断される可能性が高く、そのために法的な処分も厳しくなる傾向にあります。
具体的には、転売目的での万引きは、一般的な万引きよりも罰則が重くなる可能性が高いです。
これは、転売によって得られる利益が犯罪を助長すると考えられるため、より厳しい罰が科されるのです。
また、転売目的の万引きは、しばしば犯罪組織との関連が指摘されることもあります。
そのような場合、窃盗罪だけでなく、組織犯罪に関する法律に抵触する可能性も出てきます。
これによって、さらに罰則が重くなるケースも考えられます。
このように、転売目的での万引きは、多くのリスクと重大な法的影響を持っています。
そのため、この種の万引きが疑われる場合は、専門の弁護士のアドバイスが不可欠です。
窃盗罪に強い弁護士の重要性
窃盗罪、特に万引きなどの犯罪に関与した場合、専門の弁護士の支援が非常に重要です。
なぜなら、窃盗罪は一見単純に見えても、多くの法的要素が絡む複雑な犯罪であり、その対応には専門的な知識が必要だからです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、万引きなどの窃盗事件に精通した法律事務所です。
万引きや窃盗罪に強い弁護士に相談をすることで、不起訴処分の獲得など、よりよい結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
万引きで捜査を受けた方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。