[事例紹介]13歳未満に写真を送らせて強制わいせつ事件

13歳未満の者に写真を送らせて強制わいせつ事件となった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警右京署は28日、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、岡山市東区の運送会社パート従業員の男(24)を逮捕した。
逮捕容疑は、2月26日、京都市右京区の当時小学4年の女児(10)が13歳未満と知りながら、LINE(ライン)を通じて女児に自分の裸を撮影させ、複数の画像を送信させた疑い。容疑者は「女の子に服を脱ぐよう指示した」と容疑を認めているという。
右京署によると、容疑者は事件当日にSNS(交流サイト)を通じて女児と知り合った。女児の家族がLINEでのやりとりに気づき、通報したという。

(6月28日 京都新聞 「10歳女児に裸画像を送らせた疑い 24歳の男を逮捕「女の子に服脱ぐよう指示した」」より引用)

13歳未満の者に写真を送らせて強制わいせつ罪

強制わいせつ罪は、刑法第176条で「13条以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」と規定されています。

強制わいせつ罪は13歳以上の者に対して、暴行や脅迫を用いてわいせつ行為をした場合に適用されますが、一般にイメージされる強制わいせつ事件はこの暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をするというものではないでしょうか。
しかし、刑法第176条の後段にもある通り、13歳未満の者に対してわいせつな行為をした場合は、暴行や脅迫の有無は関係なく、同意があったとしても強制わいせつ罪が適用されます。

今回取り上げた事例を見てみましょう。
今回逮捕された男性は、13歳未満の女児の年齢を知りながら、服を脱がせてその画像を送らせたという容疑をかけられています。

強制わいせつ罪や「わいせつな行為」という言葉からは、直接身体に触れる行為が思い浮かびやすいですが、裸の写真を撮影するということも「わいせつな行為」となると考えられています(事情によって異なる場合もあるため、詳しくは弁護士にご相談ください。)。
今回の男性は女児に裸の写真を撮影させていますから、「わいせつな行為」をさせたと判断されたのでしょう。

そして、被害者の年齢が13歳未満であり、男性はそのことを知っていたとされていますから、先述のように、女児が裸の写真を送ることに同意していたとしても、男性には強制わいせつ罪が成立すると考えられるのです。

児童ポルノの製造

今回の事例の男性は、報道によれば強制わいせつ罪以外にも児童ポルノ製造の罪にも問われているようです。

児童ポルノの製造は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春・ポルノ禁止法)第7条に規定されている犯罪です。
児童ポルノを製造し、有罪となった場合は、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となります。
また、多数の人に提供する目的で児童ポルノを製造した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金となります。

児童ポルノ禁止法でいわれている「児童」とは、18歳未満の者を指します。
今回の報道の被害者である女児は当時10歳とのことですので、この「児童」に当たりますし、その裸の画像ということであれば「児童ポルノ」に当たるでしょう。
さらに、その画像は男性が女児に指示して撮影させ送らせたものということですので、男性は児童ポルノの製造に問われているということなのでしょう。

今回取り上げた事例でも、逮捕された男性の住所地と逮捕した警察署の都道府県が異なっていますが、こうしたインターネットやSNSを通じた性犯罪では、被害者が遠方に住んでおり、捜査を管轄する警察署が住所地から離れた警察署であることも珍しくありません。
こうした場合であっても、迅速に弁護士からアドバイスを受けること、早期に釈放を求める弁護活動や被害者対応を開始することが求められますから、各地域で連携をとって活動のできる法律事務所に相談することがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、強制わいせつ事件児童ポルノ製造事件も取り扱っております。
また、京都支部を含めて12の都市に支部がありますので、ご相談者様・ご依頼者様のお住まいの地域と捜査を管轄する警察署が異なっていてもスムーズな対応が可能です。
まずはお気軽に0120-631-881までお問い合わせください。

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