売上金不正取得で背任罪②

2019-01-13

売上金不正取得で背任罪②

~前回からの流れ~
京都府宮津市の不動産会社Vに勤務していましたが、遊興費欲しさに社用パソコンを不正操作して売上金を自分の口座に送金する、売上金不正取得行為を繰り返していました。
Aさんの行為に気づいたVが京都府宮津警察署に被害申告したことから、Aさんは背任罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年1月9日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・背任罪

前回の記事では、Aさんの売上金不正取得行為が業務上横領罪や詐欺罪、窃盗罪にはあたらないと考えられるということを取り上げましたが、今回は、現在Aさんが容疑をかけられている背任罪について取り上げます。
まずは背任罪の条文を見てみましょう。

背任罪(刑法247条)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

背任罪に言う「他人のためにその事務を処理する者」とは、他人から委託信任された事務を他人のために行う者を指します。
つまり、その人(人間だけでなく、法人や法人格のない団体も含まれます。)に代わってその人の事務処理を行う者が「他人のためにその事務を処理する者」となるのです。
Aさんの例に当てはめると、Aさんは不動産会社V=「他人」から、不動産会社における仕事=「事務」を処理することを任されている=委託信任されているということになります。
こうした人が、「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で」、その委託信任関係を侵害する行為をして本人に損害を与えた場合に、背任罪が成立するのです。

では、Aさんの売上金不正取得行為について当てはめてみましょう。
先ほど触れた通り、不動産会社Vの社員であるAさんは、背任罪の言う「他人のためにその事務を処理する者」であると言えます。
そして、遊興費欲しさに売上金不正取得行為していることから、Aさんは「自己~の利益を図」る目的で売上金不正取得行為をしたと考えられます。
売上金不正取得行為は、不動産会社Vの社員としての仕事から大きく外れることは間違いないでしょうから、「その任務に背く行為」であると言えるでしょう。
そして、売上金不正取得行為をしたことによって、Vは売上金をAさんに取られている形になりますから、AさんはVに「財産上の損害を加えた」と言えます。
以上のことからして、Aさんの売上金不正取得行為背任罪に当たると考えられるのです。

なお、取締役等の株式会社のある一定の役職についている者がこの背任罪に当たる行為をした場合には、会社法960条の規定する特別背任罪となります。
特別背任罪となった場合には、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処されるか、これらを併科される可能性があります。
特別背任罪背任罪と比べても非常に重い刑罰が規定されていることに注意が必要です。

こうした背任罪は、日常生活ではなかなか目にする機会のない犯罪ですから、自分や家族、友人が容疑をかけられてしまった際に、具体的にどうしていいか分からなくなってしまうかもしれません。
そんな時こそ、刑事事件専門弁護士が所属する、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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