【お客様の声】傷害事件で児童自立支援施設回避・保護観察獲得の事例
■事件概要■
依頼者様の息子様(滋賀県在住、中学2年生)が、友人たちと外出していた際、被害者の方とトラブルとなり、友人たちと一緒に殴る蹴る等の暴行を加え、怪我をさせてしまい、その後、通報により児童相談所へ保護、家庭裁判所へ送致されて観護措置決定がなされた傷害事件(触法事件)。
■事件経過と弁護活動■
今回の事件では、事件の当事者である息子様が中学2年生の13歳であったため、「触法事件」として、警察に逮捕されるのではなく、児童相談所に保護される形で身体拘束がなされていました。
その後、事件が家庭裁判所へ送致され、息子様の観護措置が決定されたところで、依頼者であるお母様が、施設収容(児童自立支援施設への送致)を回避することはできないのかと、弊所弁護士まで初回接見サービスからご依頼いただきました。
被害者様の負った怪我は、約1か月の入院を要するもので、非常に重く、さらに、息子様がたびたび夜遊びや不登校を繰り返していたことから、当初、家庭裁判所の処分意見は、「児童自立支援施設への収容」でした。
既に事件が家庭裁判所に送致されており、観護措置が決定していることからも、児童自立支援施設を回避するには、迅速な環境調整が必要とされました。
まず、弊所弁護士は、被害者様と連絡を取り、謝罪と示談交渉を行いました。
依頼者様は、謝罪をしたいとの意思をお持ちでしたが、どうしたら被害者様への謝罪の場を設けることができるのか、もしかすると自分が動くことで被害者様をさらに煩わせてしまうのではないか、と悩み、謝罪を行うことができずにいました。
そこで、弁護士が間に入り、被害者様の親御様と、依頼者様が直接お話をする場を設けました。
その場で、依頼者様からの謝罪と、鑑別所にて身体拘束されている息子様ご本人の謝罪のお手紙や反省文を、被害者様の親御様にご確認いただき、示談を締結するに至りました。
被害者様の親御様からは、謝罪の気持ちはしっかり伝わったこと、息子様が今後同じようなことを起こさないように育っていってほしい、とのお言葉をいただきました。
そして、息子様がたびたび夜遊びをしたり、学校へ行かなかったりといった素行であったことを改善すべく、息子様が通われている中学校へと赴き、校長先生や担任の先生と面談・連絡を重ね、学習面でのサポートや友人たちのサポート等を充実させることにより、息子様が学校へ復帰しやすい環境を作っていくことで協力をいただきました。
また、息子様自身への接見も重ね、息子様本人の口からも、「毎日学校に通って自分自身を変えたい」「こうした人を悲しませるようなことはもうしないような自分になりたい」という言葉が出てくるようになりました。
そうした活動の結果、家庭裁判所の審判では、すぐに児童自立支援施設へ収容するのではなく、まずは試験観察を、との処分が下りました。
試験観察中も息子様ご本人と依頼者様との面談を重ね、息子様も学校へ欠かさず通われるようになりました。
中学校の先生方からは、まるで人が変わったかのようにまじめに頑張っている、とのお言葉もいただきました。
試験観察期間中、こうした息子様ご本人の努力もあり、再度家庭裁判所の審判を受け、保護観察処分にて事件を終了することができました。
その後、息子様は保護観察の処分が出た後も、毎日きちんと学校に通われており、先生方からの評判もよいとご報告をいただきました。