官製談合事件で逮捕されたら

2021-03-08

官製談合事件で逮捕されたら

官製談合事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府福知山市の市役所の土木建築部に勤務しているAさんは、土木建設会社を経営しているBさんから、「今度京都府福知山市である浄水場工事の入札情報を教えてくれないか」と言われ、非公表のはずの情報を事前に教えました。
そしてBさんは、落札できる最低限価格で工事を落札し、受注しました。
しかし、こうしたことが連続して起きたために調査が入り、Aさんが入札情報を漏らしていたことが発覚。
京都府福知山警察署が捜査を開始し、Aさんは官製談合防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和3年2月12日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・官製談合防止法

官製談合とは、公共事業の入札で、発注者側の人間と業者側の人間で事前に話し合い、落札価格などを決めてしまうことを指します。
例えば、今回のAさんとBさんは、工事を発注する京都府福知山市に属するAさんと、入札に参加する工事を受注したい業者のBさんという関係にあり、その2人が入札情報をやり取りしてBさんが落札できるようにしていることから、まさに官製談合をしていると言えるでしょう。

この官製談合については、官製談合防止法(正式名称「入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」)で禁止され、刑罰も定められています。

官製談合防止法第8条
職員が、その所属する国等が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること又はその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金に処する。

今回の事例のAさんに当てはめて考えてみましょう。
Aさんは京都府福知山市の職員であり、土木建築部に所属していることから、入札等の業務を外部に漏らさないことが職務上求められていると考えられます。
AさんはBさんに対して入札情報を漏らしていることから「その職務に反し」「事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示すること」によってBさんに落札させていますから、この行為によって工事の入札は不公平に行われてしまったと言えるでしょう。
ですから、Aさんは「当該入札等の公正を害すべき行為」をしたと考えられ、官製談合防止法第8条に該当する官製談合防止法違反となると考えられるのです。

・「職員」でない業者は何罪に?

ここで注意すべきなのは、官製談合防止法では国などの「職員が」談合を唆したり入札に関しての情報を漏らしたりして入札の公正を害する行為をした場合について定めているということです。
つまり、官製談合防止法では官製談合の発注者側を取り締まっていると言えます。
では、官製談合防止法のいう「職員」ではない業者側(今回の事例でいうBさん)には犯罪は成立しないのでしょうか。

実は、官製談合防止法違反とは別に、刑法には公契約関係競売等妨害罪という犯罪が規定されています。

刑法第96条の6
第1項 偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした者は、3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項 公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した者も、前項と同様とする。

刑法第96条第2項では、「公正な価格を害し又は不正な利益を得る目的で、談合した」者について「3年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」という刑罰を定めています。
今回の事例のBさんのような官製談合の業者側については、この公契約関係競売等妨害罪が成立すると言えます。

官製談合をしたことによる官製談合法違反事件では、犯行態様によってこの他の犯罪が成立する可能性があります。
例えば、賄賂によって官製談合が行われたような場合には、発注側・業者側(今回の事例ではそれぞれAさん・Bさん)共に収賄罪や贈賄罪が成立する可能性があります。
そして、発注側が公務員という立場ながらその職務に反する形で官製談合をしているのであれば、地方公務員法違反や国家公務員法違反といった犯罪も成立すると考えられます。
官製談合自体も検討が複雑になりがちですが、官製談合によって成立する犯罪も多くなる可能性があるため、より複雑で対応しづらい刑事事件となるおそれがあるのです。

だからこそ、官製談合防止法違反事件では、様々な刑事事件に対応可能な弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件専門の法律事務所だからこそ、様々な種類の犯罪に対応が可能です。
まずはお気軽にご相談ください。