介護疲れからの殺人事件

介護疲れからの殺人事件

介護疲れ

今回は、実母の介護に疲れ、殺人事件に発展してしまった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

Aさんは、京都市上京区に住む65歳の男性です。
Aさんは、長年の介護に疲れ果て、同居する当時84歳の実母の首にロープを巻き付けて殺害してしまいました。
認知症の実母の介護に疲れ、Aさん自身もうつ病と診断されており、今後の生活への不安などから実母を殺害した後、自身も自殺しようとした。」と犯行を供述しています。
(事例はフィクションです。)

殺人罪

殺人罪とは、他人の生命を侵害する犯罪です。
法定刑は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役と規定されています。(刑法199条)

殺人罪における殺人とは、「殺意をもって、他人の生命を断絶すること」です。
つまり、「殺意をもっていたのかどうか(故意)」が殺人罪における重要な要件であり、殺意(故意)が無く人を殺してしまった場合は、「過失致死罪」になります。

過失致死罪は、刑法210条で、「過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。」とされています。

介護疲れによる殺人事件

主に家族間において、介護を要する者の介護に疲れ果て、殺人事件に発展する悲劇がニュースで流れることがあります。
介護を行う方の負担は相当に大きいものであることは想像に難くなく、介護疲れの末に起きる殺人事件は「悲劇」といってよいでしょう。
どのような理由であっても、人が人を殺めることは重大な犯罪です。
殺人罪は最も重い法定刑として死刑となりうる可能性があります。

しかしながら、殺人に至るまでの経緯に事例のような介護疲れなどのくむべき事情がある場合には、執行猶予付き判決などの「温情的」な処分を得ることができるかもしれません。
実際に、介護疲れの果てに起きた殺人事件について、執行猶予付き判決がなされた事例もあります。
殺人罪の法定刑の範囲内では、最も軽い量刑であっても5年の懲役となるため、原則として執行猶予の基準(3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡し(刑法25条1項))に該当せず、何もしなければ執行猶予付き判決を獲得することはかなり難しいと言えるでしょう。

執行猶予付き判決を得るためには、酌量すべき事情があるなど、刑を減軽できる理由が存在し、刑を減軽するべきであることを裁判等で主張する必要があります。
そのためには、刑事弁護に精通した弁護士のサポートが重要となります。

弁護士への接見依頼

殺人罪では、科される刑罰が重くなることが予想されるため、逮捕される可能性が極めて高いといえます。
当事者が逮捕されているのであれば、まずは早急に弁護士の接見を受け、事件解決に向けたアドバイスを受けることが先決です。
殺人という重大な事件であるため、相談はなるべく早く行うことが事件解決の第一歩と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件を主に取り扱う法律事務所です。
介護疲れの末に起きた殺人事件でお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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