【事例紹介】かばんに包丁を所持し、ユーチューバー逮捕

【事例紹介】かばんに包丁を所持し、ユーチューバー逮捕

ナイフを持つ人

ユーチューバーがかばんに包丁を所持したとして、銃刀法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

かばんに包丁を所持していたとして、京都府警右京署は17日、ユーチューバーの男(33)(右京区)を銃刀法違反容疑で逮捕した、と発表した。
発表によると、男は(中略)京都市右京区の駐輪場前で、包丁(刃渡り約15センチ)1本を所持した疑い。男の母親が「息子が包丁を持って出かけたかもしれない」と通報し、駆けつけた署員が職務質問の上、現行犯逮捕した。
(中略)「死ぬために持っていた」と容疑を認めているという。

(12月18日 読売新聞オンライン 「「死ぬために持っていた」包丁を所持していたユーチューバーの男を逮捕、母が京都府警に通報」より引用)

刃物の所持と銃刀法

銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」といいます。)第22条では、「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。」と規定しています。

簡単に説明すると、仕事で使用する場合や正当な理由なく、刃の長さが6センチを超える刃物を持ち歩くと銃刀法違反が成立します。

今回の事例では、容疑者がかばんに包丁を所持していたとして、銃刀法違反の容疑で逮捕されたようです。
今回の事例で銃刀法違反は成立するのでしょうか。

容疑者が所持していた包丁は刃渡り約15センチとのことですので、銃刀法で携帯の認められていない刃物に該当する可能性が高いでしょう。

次に正当な理由などがあるかどうかについて考えていきましょう。

報道によれば、容疑者が包丁を所持していた理由は「死ぬために持っていた」ようです。
銃刀法で認められるような正当な理由とは、例えば、草刈りのために鎌を携帯する行為が当てはまると考えられます。
今回の事例のような、死ぬために刃物を所持することは正当な理由には当てはまらないでしょうし、仕事のために持っていたわけでもないようですから、実際に容疑者が死ぬために包丁を所持していたのであれば、銃刀法違反が成立する可能性があります。

銃刀法違反と不起訴処分

銃刀法違反が問題になるケースとして、車から刃物を降ろし忘れたことで銃刀法違反の罪に問われてしまうケースが存在します。
例えば、草刈りを行うために鎌を車に乗せ、草刈りが終わった後も鎌を降ろし忘れて車を使用していた場合などがこのケースにあたります。
草を刈りに行く道中や帰る際には「草刈りを行うため」という鎌を携帯する正当な理由があるといえますが、草刈りが終わった翌日以降も車に鎌を乗せた状態が続いてしまうと、「草刈りを行う」という正当な理由がなくなるわけですから、正当な理由なく刃物を携帯することになり、銃刀法違反が成立してしまうおそれがあります。

今回の事例や上記のケースのような場合では、銃刀法違反で有罪になることは避けられないのでしょうか。

結論から言うと、銃刀法違反で有罪になることを避けられる可能性があります。

弁護士は検察官に対して処分交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に不起訴処分を求めることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。

例えば、今回のような事例では、今後は通報をした母親が容疑者が刃物を持って出歩かないように監視監督を行うなど、再犯防止に尽くすことを弁護士が検察官に訴えることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。

また、不起訴処分を得るためには、弁護士の処分交渉だけでなく、取調べ対応も重要となります。

取調べでは、供述調書と呼ばれる裁判で使用される証拠を作成します。
この供述調書は一度不利な内容で作成されてしまうと、その内容を覆すことは容易ではありません。
供述調書は裁判だけでなく、検察官が起訴の判断を行う際の判断材料になる可能性もありますから、不起訴処分を目指す際には取調べ対応もかなり重要になってきます。

取調べの際には、警察官や検察官が、思い通りの筋書きにしようと供述を誘導してくることが多々あります。
誘導に乗ってしまうことで、不利な供述調書の作成につながる可能性が高くなりますから、そういったリスクを避けるためにも、あらかじめ弁護士と供述すべき内容と黙秘すべき内容の精査を行っておくことが重要です。
取調べ前に弁護士と打ち合わせを行うことで、不利な供述調書の作成を防げる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
数多くの事件で不起訴処分を獲得してきた経験豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
銃刀法違反事件やその他刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部初回接見サービス無料法律相談をご利用ください。

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