【事例紹介】SMS認証代行で逮捕された事例

京都府警サイバー犯罪対策課と京都府中京警察署などが、SMS認証代行の疑いで男性を逮捕した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を使った本人確認手続き「SMS認証」を代行し、依頼者にフリマアプリのアカウントを不正取得させたとして、京都府警サイバー犯罪対策課と中京署、埼玉、千葉の両県警は30日、私電磁的記録不正作出、同供用の容疑で、兵庫県尼崎市の男(23)を逮捕した。

逮捕容疑は、6月23日、何らかの方法で入手した電話番号とSMS認証コードを、愛知県の会社員男性(39)に提供し、大手フリマアプリのアカウントを不正に取得させた疑い。「まったく身に覚えがない」と否認している。
(後略)

(9月30日 京都新聞 「フリマアプリのアカウント不正取得させる SMS認証代行疑い、23歳男を逮捕」より引用 )

私電磁的記録不正作出罪、不正作出電磁的記録供用罪

人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。(刑法第161条の2第1項)
不正につくられた権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を、第1項の目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処する。(刑法第161条の2第3項)

刑法第161条の2第1項が私電磁的記録不正作出罪、同条の第3項が不正作出電磁的記録供用罪の条文になります。

簡単に説明すると、人が行う事務処理を間違わせる目的で、不正な電磁的記録を作った場合や使用した場合は私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪の罪に問われることになります。

また、電磁的記録とは、電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によって認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいいます。(刑法第7条の2)

今回の事例では、不正に作られたフリマアプリのアカウントが電磁的記録にあたります。
逮捕容疑によると、容疑者は入手した電話番号とSMS認証コードを男性に提供しアカウント(電磁的記録)を不正に取得させたとされています。
他人の電話番号とSMS認証コードを利用して不正なアカウントを作る行為は、フリマアプリ側に他人を本人だと誤認させているので、不正な電磁的記録によって人が行う事務処理を誤らせているといえます。
また、不正に作られた電磁的記録を人のコンピュータで使用できるようにすることは供用にあたります。
ですので、不正に作られた電磁的記録を他人が使用できる状態で提供した場合は、不正作出電磁的記録供用罪にあたります。

今回の事例では、逮捕された男性に対して、不正にフリマアプリのアカウント(電磁的記録)を作り出し、そのアカウントを男性に取得させたという容疑がかけられています。
ですので、報道内容にある行為を実際に行っているのであれば、容疑者の男性は私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪に問われることになります。
しかし、報道によれば逮捕された男性は容疑を否認しているということですから、今後刑事裁判などで有罪・無罪が争われる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談や、逮捕された方向けの初回接見サービスも行っておりますので、私電磁的記録不正作出罪不正作出電磁的記録供用罪でお困りの方はお気軽にご相談ください。
ご予約は0120ー631ー88124時間承っております。
特に容疑を否認している刑事事件では、捜査段階の取調べから慎重な対応が必要です。
取調べ前に弁護士からアドバイスを受け取ることはそういったメリットも大きいため、お早めにお問い合わせください。

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