自撮り要求の条例違反で逮捕なら
Aさんは、京都市北区に住む中学3年生で15歳のVさんと、SNSを通じて知り合いました。
2人はメッセージアプリを介してやり取りしていたのですが、ある日Aさんは、Vさんに「裸の写真を送ってよ」等と言って、自撮り要求を行いました。
Vさんは拒否しましたが、その後もAさんからの自撮り要求が止まないため、怖くなって京都府北警察署に相談しました。
そして、Aさんは京都府の青少年健全育成条例違反の容疑で京都府北警察署に逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・自撮り要求は条例違反?
上記事例のように、18歳未満の児童に対して裸等の性的な自撮り写真を要求する事例が深刻化しています。
京都府警のホームページによると、全国的に多発している児童の自撮り被害は、京都府でも例外なく起きており、その約8割は、AさんやVさん同様、SNSを含むコミュニティーサイトが起因となっており、自撮り要求の被害に遭った児童の約半数はVさんと同じ中学生だそうです。
こうした児童への自撮り要求は、どういった犯罪となるのでしょうか。
京都府では、今年の7月に、いわゆる青少年健全育成条例が改正され、児童ポルノにあたる自撮りの要求は条例違反となることとなりました。
京都府青少年健全育成条例21条の2
何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第2条第3項に規定する児童ポルノ及び同項各号のいずれかに掲げる姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録をいう。以下同じ。)の提供を求めてはならない。
同法31条3項3号
次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
第21条の2の規定に違反して、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を行うように求めた者であって、次のいずれかに該当するもの
ア 当該青少年に拒まれたにもかかわらず、当該提供を行うように求めた者
イ 当該青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は当該青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該提供を行うように求めた者
児童ポルノとは、いわゆる児童ポルノ禁止法で規制されている、18歳未満の児童の性的な写真等のことを指します。
18歳未満の児童の裸の自撮り写真は、この児童ポルノに当たると考えられますから、それを要求する行為は京都府の青少年健全育成条例違反となるのです。
なお、自撮り要求を行い、児童ポルノに当たる自撮り写真を手に入れた場合には、児童ポルノ製造罪や児童ポルノ所持罪等に問われる可能性が出てきますし、自撮り要求行為の態様が悪質であれば、強要罪や脅迫罪など、条例違反以外の犯罪に該当する可能性も出てきます。
今回のAさんは、15歳=18歳未満のVさんに自撮り要求をしたものの、拒否されていますが、それにもかかわらず自撮り要求行為を続けています。
ですから、京都府の青少年健全育成条例31条3項3号のアに当たり、条例違反となることが考えられるのです。
自撮り要求などの児童に対する性犯罪の場合、逮捕によって身体拘束される可能性が高くなる傾向にあります。
突然の逮捕に困惑するのは、逮捕された当人だけでなく、その家族も同じです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、急な逮捕にも対応できるよう、初回接見サービスのお申込みが24時間可能です。
自撮り要求事件では、条例違反の他にも多くの犯罪が成立する可能性がありますから、早期に弁護士に詳しい事情を話し、見通しを聞くことが大切です。
自撮り要求事件で逮捕されお困りの場合は、すぐに弊所弁護士までご相談下さい。
お問い合わせは0120-631-881で受け付けております。
(京都府北警察署までの初回接見費用:3万6,300円)