冤罪事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都市中京区の家電量販店でパソコン周辺機器を盗んだとして、窃盗罪の疑いで京都市内の大学に通う大学生の男を逮捕、起訴された事件で、京都地方裁判所は無罪判決を言い渡した。
男は、取り調べの際に犯人は自分だとする供述をしているものの、法廷では無罪を主張したためその自白の信用性が争点となっていた。
男は、法廷で「逮捕されたショックから、早く解放されたいと思い嘘の自白をしてしまった。私はやってない」と主張。
弁護人は、男が犯行時刻に別の場所にいたとするアリバイ証拠を提出していた。
(京都新聞 9月8日「Tシャツ窃盗で無罪判決」の記事を参考にしたフィクションです)
証拠としての自白の重要性
刑事事件では、犯罪を証明する責任は検察官にあります。
したがって、検察官や警察官は、犯罪を証明するため全力で証拠を手に入れようとします。
その中でも、検察官や警察官が特に入手したいと思うのが、自白すなわち犯人が自らのした犯罪を認める供述です。
発生した犯罪について、その詳細を知る犯人の供述は証拠としての価値が非常に高いため、検察官や警察官は、自白を得るために時として違法な取り調べが行われることさえあります。
なお、検察官や警察官は、自白の内容を調書として文書にした後、被疑者にその読み聞かせるなどした上で、署名押印を求めてきます。
これに応じると、裁判で証拠として使用さる可能性があり、もし証拠として使用された場合には覆すのは非常に困難ですから、安易に署名押印しないことが重要です。
本事案では、男子大学生は取り調べの際に、パソコン周辺機器を盗んだのは自分だと嘘の自白をしてしまった上、調書に署名押印した結果、裁判で証拠として使用されたようです。
なぜ嘘の自白をしてしまうのか
そもそもなぜ嘘の自白をしてしまうのでしょうか?
本事案の男子大学生のように、逮捕されると冷静さを失い、「早くこの状況から解放されたい」と思ったり、「認めることで求刑が軽くしてもらえるのではないか」と考えて、やってもいないことをやったと嘘の自白をしまうことがあります。
繰り返しになりますが、自白の内容が嘘であったとしても、調書が作成されてしまいますと裁判で証拠として扱われますし、覆すことは容易ではありません。
ですので、嘘の自白をすることがないように、落ち着いた状態で取り調べに挑むことが重要になります。
なるべく早く経験豊富な弁護士に相談を
嘘の自白をしないためには、可能な限り取り調べ前の段階で弁護士に相談することが望ましいでしょう。
今後待ち受ける手続の見通しや、どのように取り調べに対処すれば良いのかを知っていれば、冷静さを欠いて嘘の自白をすることを防げる場合があるからです。
また、自白獲得のために違法な取り調べを行われる場合には、弁護士から捜査機関に対し直ちにやめるように抗議し阻止する必要があります。
仮に、嘘の自白をしてしまった場合、自白を覆さなければ冤罪で犯罪者となってしまう可能性がかなり高くなります。
それを阻止するためには、自白が真実でないことを証明する証拠を集める必要があります。
有用な証拠を集めるためにも、経験豊富な弁護士に任せた方が良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、冤罪事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
経験豊富な弁護士が取り調べ段階からサポートする行うことで、嘘の自白を未然に防いだり、法廷で自白が真実でないことを証明できる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。