大学の卒業式を間近に控えた学生が500円分の商品を万引きした事例②

大学の卒業式を間近に控えた学生が500円分の商品を万引きした事例②

万引き

事例

大学の卒業式を迎えたAさんは軽い気持ちで商品を万引きしてしまいました。
店員により万引きを咎められたAさんは商品代金の500円を払い、帰宅しました。
翌日、京都府右京警察署からAさんの下に万引きの件で話を聞きたいと連絡がありました。
万引き発覚後に商品代金を支払ったことで許されたと思っていたAさんは、採用が取り消されてしまうのではないかと不安でいっぱいです。
(事例はフィクションです。)

万引きと前科

前回のコラムで解説したように、万引きをしたAさんには窃盗罪が成立する可能性があります。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)ですから、Aさんが窃盗罪で有罪になると懲役刑か罰金刑が科されることになります。

今回の事例のAさんは、500円分の商品を万引きしたようですから、今回の万引きが初犯であり余罪などがない場合には、Aさんは罰金刑で済む可能性があるでしょう。
ただ、罰金刑で済んだとしても、前科は付きますから、Aさんの現在の生活や将来に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば、事例のAさんが危惧しているように、前科が付くことで、会社の採用を取り消されてしまうおそれがあるといえます。

前科を避けたい

刑事事件には、不起訴処分という起訴しない処分があります。
不起訴処分では、刑罰は科されませんので前科は付きません。
ですので、Aさんが不起訴処分を獲得することができれば、前科が付くことを避けることができます。

弁護士は検察官に対して不起訴処分に付すように処分交渉を行うことができます。
不起訴処分を得ることは容易ではありませんから、Aさんの有利にはたらく事情を訴えることが重要になってきます。
そのためには、Aさんの有利にはたらくような証拠を集める必要があります。

例えば、今回の事例では、万引き発覚後に商品代金の500円をお店に支払っているようです。
Aさんが商品代金を支払っていることはAさんの有利な事情として考慮される可能性があります。

弁護士が検察官に対して、Aさんが万引きの被害弁償を行っていること、前科が付いてしまうと採用が取り消されてしまい多大な悪影響を被ってしまうことなどを主張し、不起訴処分を求めることで、Aさんが不起訴処分を獲得できる可能性があります。

被害店舗は万引きされた商品代金でなく、捜査にあたって余分に人件費などが生じている可能性があります。
こういった人件費なども迷惑料として上乗せして支払うことで、示談に応じてもらえる場合があります。
示談を締結していることが、不起訴処分の獲得を目指すうえでAさんにとって有利な事情として考慮される可能性があります。
示談交渉や示談書の作成などを自ら行うことは困難でしょうから、示談交渉を行う際は、弁護士に相談をすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
万引きでお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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