【事例紹介】服薬自殺の手助けを行い、自殺ほう助未遂罪で逮捕

女子高生の自殺を手助けしようとして、自殺ほう助未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警向日町署は4日、女子高校生の自殺を手助けしようとした自殺ほう助未遂の疑いで、京都市上京区の無職男(22)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)自宅で、自殺をほのめかした府内の女子高校生(15)にせきやたんを鎮める市販薬を約60錠飲ませ、自殺を手助けしようとした疑い。
(後略)

(7月4日 京都新聞 「女子高校生の自殺ほう助未遂?市販薬60錠飲ませた疑い 22歳無職男を逮捕」より引用)

自殺ほう助罪

刑法第202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

自殺ほう助罪は、簡単に説明すると、相手の同意を得て自殺を手助けすると成立する犯罪です。
自殺ほう助罪未遂であっても処罰されます(刑法第203条)ので、手助けした相手が死亡するに至らなかった場合にも罪に問われることになります。

今回の事例では、容疑者が女子高生に市販薬約60錠を飲ませ、自殺を手助けしたとされています。
被害者が服薬による自殺に同意しており、実際に容疑者が薬を飲ませる手助けを行ったのであれば、容疑者が自殺ほう助未遂罪に問われる可能性があります。

自殺ほう助罪と弁護活動

人を殺した場合に成立する罪として真っ先に思い浮かぶのは殺人罪ではないでしょうか。

殺人罪は刑法第199条に「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」と規定されており、簡単に説明すると、殺意を持って人を殺すと成立します。
自殺ほう助罪殺人罪は人の命を奪う点で似通っているのですが、自殺ほう助罪が成立するためには同意が必要である点が異なります。

繰り返しになりますが、自殺ほう助罪が成立するためには、自殺の手助けをすることを相手に同意してもらう必要があります。
ですので、相手が同意していなかったと判断されれば、自殺ほう助罪ではなく、科される刑罰がかなり重い殺人罪もしくは殺人未遂罪が成立する可能性があります。
殺人罪の成立を避けるためにも、取調べ対策が重要になってきます。

取調べでは、後の裁判で証拠として使用される供述調書が作成されます。
ですので、あなたの意に反した供述調書が作成されてしまうと、裁判で不利になってしまうばかりか、殺人罪で有罪になってしまうおそれもあります。
そういった状況に陥らないためにも、事前に取調べ対策を行っておくことが重要です。

取調べでは事件当時の状況や犯行の動機などを聴かれます。
例えば今回の事例では、市販薬の入手経路や被害者の同意の有無、犯行に至った経緯などを聴かれるのではないでしょうか。
あらかじめ聴かれることを予測し、供述内容を整理しておくことで、あなたの不利になる証拠の作成を防げる可能性があります。
ですので、取調べを受ける際は、事前に弁護士に相談して対策を行っておくことが望ましいといえます。

また、被害者と示談を締結することで、科される刑罰が軽くなる場合があります。
加害者自らが被害者と接触をすることで、証拠隠滅を疑われる可能性がありますので、示談交渉を行う際には弁護士を介して行うことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
自殺ほう助罪やその他刑事事件でお困りの方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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