逮捕されていない少年事件も弁護士へ
逮捕されていない少年事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市南区の中学校に通っている中学3年生のAくん(15歳)は、ある日、出かけた先の京都市南区にある商業施設内の階段で、前を歩いていた女性Vさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
盗撮行為の目撃者が通報したことで、Aくんは駆け付けた京都府南警察署の警察官に任意同行されることになりました。
しかし、Aくんは逮捕されることなくその日のうちに帰宅を許され、後日また京都府南警察署に呼び出されて取調べを受けることになりました。
Aくんの両親は、逮捕されないのであれば大事にはならないのではないかと思っていましたが、少年事件は通常の刑事事件と異なる手続きであるということを知り、不安を感じて弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・逮捕されていない=弁護士は不要?
上記事例のAくんは、盗撮をした疑いで京都府南警察署に任意同行され、逮捕されることなく帰宅を許されています。
このような場合、今後は取調べのために何度か警察署に呼び出される、いわゆる在宅事件として捜査が進むことになるでしょう。
事例のAくんも、後日京都府南警察署で取調べを受けることになっているようです。
こうした、逮捕されずに手続きが進んでいく在宅事件の場合、「大事になっている」という感覚はわきにくいかもしれません。
逮捕されてしまえば、身体拘束によって家族とも会えなくなりますし、学校や職場にも通えなくなりますから、すぐにでも釈放をしてほしいと考える方が多く、弁護士のサポートが早急に必要であると考える方が多いでしょう。
ですが、逮捕されていない在宅事件では、通常通り自宅で生活することができますし、取調べのない日は職場や学校に通うことができますから、なかなか緊急性が高いようには見えず、弁護士に弁護活動を頼むほどのことではないのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、逮捕されていない在宅事件においても、弁護士の役割は非常に大きいものなのです。
例えば、今回のAくんの事例を考えてみましょう。
Aくんは中学3年生の未成年ですから、Aさんの両親が聞いた話のとおり、成人の刑事事件とは異なる少年事件として手続きが進んでいくでしょう。
少年事件の場合、たとえ捜査段階で逮捕されずに在宅事件として進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致された後、観護措置という措置が取られれば、少年は一定期間(平均的には4週間程度)、鑑別所に収容されることとなってしまいます。
そうなれば、学校へ行けなかったり、就業先に行けなかったりといった不都合が出てくることはもちろん、少年本人や家族にも負担がかかってしまうことになりかねません。
さらに、家庭裁判所へ送致されるまでの取調べ等の手続きは、成人の刑事事件とほとんど同様の手続きによって行われます。
たとえ未成年でも、被疑者として1人で取調べに臨まなければならないのです。
未成熟な少年が、捜査官相手にきちんと主張したいことを貫けるかどうか、という問題も出てきます。
かけられている容疑が冤罪であった場合はもちろん、そうでなくとも目的や手段、実際にやったこと等を自分の認識通り話せるかどうかによって、処分にも大きな影響が出てしまう可能性があります。
また、今回の事例のAくんのような盗撮事件では、被害者の方への謝罪や賠償をしていくことも考えられるでしょう。
盗撮事件においては、被害者の方は見ず知らずの方であることも多いです。
そうした中で謝罪や賠償を行っていくには、まずは被害者の方と連絡を取るために連絡先を教えてもらわなければなりませんが、通常、捜査機関は盗撮をした当事者に直接被害者の連絡先を教えることはしません。
盗撮された被害者としては、当然加害者側に対して処罰感情や恐怖を感じていることも多いためです。
そうすると、被害者に対して自分たちだけで謝罪や弁償をするということは難しくなってしまいます。
そして、少年事件の場合、終局処分は家庭裁判所が少年の更生にとって適切な処分を判断することで決まります。
少年の更生にとってよい環境を自分たちで作れているかどうかという点は、この判断の際に重視されることの1つです。
そのためには、少年の更生のためにどういったことが必要なのか、現在の環境からどこをどう変えるべきなのか適切に把握し、行動する必要があります。
このように、たとえ逮捕をされていなくとも、刑事事件・少年事件の専門的知識が必要な活動は多く存在します。
特に、少年事件の場合は、前述のように家庭裁判所に事件が送致されてからも身体拘束のリスクがある上に、終局処分での判断が少年の更生に適切かどうかという点で考えられることから、逮捕されていないから軽く済むに決まっている、ということはありません。
まずは専門家の話を聞いてみるというところから、刑事事件・少年事件を把握してみることをおすすめします。
京都府の少年事件でお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士まで、ご相談ください。
弊所の弁護士は、盗撮事件などの性犯罪から、傷害事件などの暴力犯罪、万引きなどの財産犯罪まで、幅広く活動しています。
初回無料法律相談もございますので、逮捕されていない在宅事件の少年事件を起こしてしまったという方もお気軽にご相談ください。