原則逆送事件で逆送回避したい…少年の殺人・死体遺棄事件を弁護士に相談
京都府相楽郡南山城村に住んでいる17歳の女子高生Aさんは、知人男性Vさんと交際していた間に、妊娠しました。
妊娠が発覚したのがVさんとの交際を解消した後だったことや、周りの人に知られたら冷たい態度を取られるのではないかと思ったことから、妊娠のことを隠し、こっそり出産した新生児を殺してその死体を隠しました。
しかし、新生児の死体が見つかったことから、Aさんは京都府木津警察署に、殺人罪と死体遺棄罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成30年7月25日JIJI.COM配信記事を基にしたフィクションです。)
・原則逆送事件?
今回の事例のAさんは、17歳の高校生であるため、通常であれば、Aさんが犯罪行為を行った場合、少年事件として処理され、Aさんは保護処分を受けることになります。
しかし、今回Aさんが容疑をかけられている犯罪名は、殺人罪と死体遺棄罪です。
この容疑をかけられていることによって、Aさんは、「逆送」され、成人と同じような裁判を受け、刑罰を受ける可能性が出てきます。
まず、「逆送」とは、家庭裁判所での審判の結果、少年の処分として刑事処分が相当であると判断し、家庭裁判所から検察官へ事件を送致することを指します。
つまり、逆送されて検察官のもとへ戻ってきた事件は、起訴され裁判となる可能性があり、有罪となれば少年であっても犯罪によっては刑務所へ行く可能性がある、ということになります。
この逆送について、少年法では、事件時に16歳以上の少年が起こした、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件については、原則、逆送を行うということになっています(少年法20条2項)。
Aさんの場合、殺人罪という故意に被害者を死亡させた罪の事件の容疑がかかっていますから、この原則逆送事件となるのです。
しかし、この原則逆送の条文には但し書きがあり、調査の結果刑事処分以外の処分が相当と認められるときはこの限りではない、としています。
逆送されて正式に起訴されてしまえば、少年は裁判を受けることになり、その負担も大きいといえます。
さらに、逆送されて起訴され、有罪となれば、少年であっても前科が付くことになりますし、刑務所に行くことになる可能性もあります。
では、どのようにして逆送を回避していくのでしょうか。
次回記事で取り上げます。
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