強制わいせつ罪に意思は必要?京都市山科区で逮捕されたら弁護士へ
京都市山科区に住むAさんは、金銭利益を目的に、13歳未満の女子にわいせつな行為をして、その様子を撮影し、その画像を知人に送ったとして、強制わいせつ等の罪で、京都府山科警察署に逮捕されました。
Aさんは、女子の写真を撮る際にいやらしい気持ちは一切抱いていなかったと主張しています。
第一審・第二審で実刑判決を受けたため、弁護側は性的な興奮がなかったことを理由に強制わいせつ罪には問われないとして上告を行いました。
Aさんの行為は強制わいせつに当たるのでしょうか。
(2017年6月7日朝日新聞の記事を参考にしたフィクションです。)
~強制わいせつ~
まず、Aさんが問われている強制わいせつ罪とはどのような罪なのでしょうか。
刑法によると、「13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者」または「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者」が6月以上10年以下の懲役に処されると書かれています(176条)。
今回の事例では、このわいせつな行為とはどのような行為であるのかが問題となります。
過去の判例では、「いたずらに性欲を興奮し、かつ人の正常な性的羞恥心を害し、性的道義観念に反する行為」であると定義されました。
簡潔には、自身の性欲を満足させる行為であるといえます。
では、性欲を興奮されない行為はどうなるのでしょうか。
これに関して、1970年に参考となる判例が下されました。
その事件では女性への復讐を目的にわいせつな画像を撮影した被告人が強制わいせつ罪に問われるかどうかが争われました。
結論として、判決では「性欲を満足させる意図がなかった」として強制わいせつ罪は認められませんでした。
対して、今回の事例の基となった事件では、金銭利益が目的で性的な興奮はなかったにもかかわらず、第一審・第二審で強制わいせつ罪が認められています。
このまま最高裁判所で強制わいせつ罪が認められると、40年も前の判例を覆すことになるため、大変注目を集めています。
以上のように、強制わいせつに当てはまるかどうかの判断は、なかなかできるものではありません。
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(京都府山科警察署までの初回接見費用:3万6,900円)