少年の万引き事件で不処分を目指す

2019-11-18

少年の万引き事件で不処分を目指す

少年の万引き事件不処分を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府舞鶴市に住むAさんは、高校2年生の17歳です。
Aさんは普段は校則などの規則もきちんと守る生徒でしたが、ある日、Aさんは勉強がうまく進まないストレスから自棄になり、近所のスーパーで500円相当の菓子を万引きしてしまいました。
その万引きをスーパーの従業員が目撃しており、Aさんは店の外に出た段階で従業員に声をかけられました。
通報を受けた京都府舞鶴警察署の警察官が臨場し、Aさんは京都府舞鶴警察署で話を聞かれた後、両親が迎えに来ることで帰宅を許されました。
Aさんの両親は普段真面目に過ごしていたAさんが窃盗事件を起こしたことに驚きましたが、Aさんは自分のしてしまったことに大変反省していました。
そこでAさんの両親は、Aさんと一緒に、少年事件に強いという弁護士に今後の対応を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年事件の処分

今回のAさんが行ってしまった万引きは、刑法の窃盗罪にあたる行為です。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

ただし、今回のAさんのような20歳未満の者が犯罪をした場合は、通常の刑事事件の手続きではなく少年事件の手続きにのっとって処分が決められることになります。
少年事件の手続きでは、原則として刑罰を科されることはありません。
ですから、例外的に行われる「逆送」という手続きが取られて起訴されない限り、Aさんも「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という刑罰を受けることはなく、したがって前科もつかないということになります。

では少年事件として処理されれば、成人の刑事事件よりも「軽い」処分となってしまうのではないか、と思う方もいるかもしれません。
しかし、ここで注目しなければならないのは、少年事件の手続きが少年の更生を重視しているということです。
少年事件で少年が受ける処分は、少年の更生のためにそれが一番適切だと判断された処分です。
よくイメージされる少年院への送致や児童自立支援施設への送致、保護観察といった処分は全て少年の更生のための処分であり、保護処分と呼ばれています。
これらの処分のどの処分がその少年の更生のために適当かを専門家が調べるために、少年事件は原則として全ての事件が家庭裁判所に送致されます。
つまり、少年事件では、成人の刑事事件で検察官が下す「起訴猶予」にあたる処分がないのです。
例えば、成人の刑事事件であれば示談をして不起訴(起訴猶予)になる可能性の高い事件であっても、少年事件の場合は原則として検察官から家庭裁判所に事件が送致されることになります。
これは、少年事件の手続きは少年の更生に重きを置いているために、少年事件のプロ=家庭裁判所の調査・審判にゆだねた方が少年の更生にとって適切な判断ができるということによります。

さらに、先述の通り、少年事件の手続きで少年の更生を重視しているために、処分の内容もその更生のために何が必要かによって決められます。
すなわち、極端な例ではありますが、少年の資質や環境によっては、数百円の万引き事件でも少年院に行く可能性もあるということになります。

・万引き事件で不処分を目指す

今まで見てきたように、少年事件では家庭裁判所に事件が送致され、そこで調査・審判を経て少年の処分が決まります。
審判の結果には前述したような少年院送致や保護観察といった保護処分を受けるものもありますが、そうした処分が不要な場合は「不処分」、つまり何の処分も受けなくてよいという結果が出ることもあります。

不処分となった場合、それ以降で何か時間を割く必要もなくなりますし、施設に収容されることもありません。
しかし、少年の更生を重視する少年事件の手続きで不処分と判断されるということは、少年の更生にとって特に処分が必要ない=このままの環境で少年の更生が可能であると判断されるということであり、非常に難しいことです。
不処分を目指すためには、少年本人だけでなく、ご家族等周囲の人も一緒に協力しながら、少年の更生に十分な環境を作っていく必要があります。
その環境づくりには、少年事件に強い弁護士のサポートを受けることがおすすめです。

例えば、今回のAさんの事例では、被害店舗への謝罪・弁償だけでなく、自分の万引き行為が被害店舗へどのような被害を与えてしまったのか等を弁護士とともに考えていくことによって、Aさん自身の内省を深めていくことが考えられます。
また、Aさんはストレスに耐え兼ねて万引きをしてしまったようですが、今後そういった状況になってしまった時、自分自身が同じことをしないためにどうするべきなのか、周囲の家族はどのような態勢をとれるのか、第三者的立場にいて専門知識のある弁護士と一緒に考えることで、今まで思いつかなかった問題点・改善点が見えやすくなることが期待できます。
このような環境づくり・対策を整え、さらに弁護士がそれらを証拠化して主張していくことで、不処分を目指していくことが考えられるでしょう。

もちろん、弁護活動・付添人活動は少年事件によって千差万別です。
京都府少年事件にお悩みの方は、まずは遠慮なく、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。