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【事例紹介】消費者金融アプリのアカウントに不正アクセスしてお金を不正に借り入れた事例②

2024-03-17

【事例紹介】消費者金融アプリのアカウントに不正アクセスしてお金を不正に借り入れた事例②

ATMから引き出し

前回のコラムに引き続き、消費者金融会社のスマートフォンアプリのアカウントに不正アクセスしお金を借り入れたとして不正アクセス禁止法違反窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警サイバー捜査課などは11日、不正アクセス禁止法違反と窃盗の疑いで、(中略)再逮捕した。
再逮捕容疑は、京都市南区の男(22)=同罪などで起訴=ら男2人と共謀し、昨年8月27日、消費者金融会社のスマートフォンアプリを使い、いずれも20代で東京都や岡山県に住む男女3人のアカウントに不正アクセスし、京都府京丹波町と南丹市のコンビニATMから借入金計150万円を引き出して盗んだ疑い。
(後略)

(3月11日 京都新聞 「インフルエンサー悪用で被害相次ぐ…不正アクセスで150万円引き出した疑いで男を再逮捕」より引用)

窃盗罪

刑法第235条では、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。

簡単に説明すると、窃盗罪は他人の持ち物をその人の許可なく自分や第三者の物にすると成立する犯罪です。

今回の事例では、消費者金融会社のスマートフォンアプリのアカウントに不正アクセスし、ATMから借入金を引き出したとして不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反窃盗罪の容疑で再逮捕されたと報道されています。
今回の事例では窃盗罪は成立するのでしょうか。

まず初めに、容疑者らがATMから引き出したとされる借入金刑150万円が容疑者らの手に渡る前の持ち主が誰なのかを考えていきましょう。
考えられる可能性として挙げられるのは、不正アクセスされたアカウントの本来の持ち主である借入の名義人、容疑者らが不正アクセスしたとされる消費者金融会社でしょうか。
実はどちらも違います。
容疑者らの手に渡る前の持ち主は、そのATMを管理している銀行になります。

ではなぜ、借入した名義人や消費者金融会社ではなく銀行が持ち主になるのでしょうか。

銀行と預金者(消費者金融会社の口座名義人)は口座開設の際に、預けたお金は銀行が自由に使うことができ、銀行は預金者が預けたお金と同等の額のお金を預金者が引き出す形で返還する契約を締結しているはずです。
消費者金融会社側が銀行に預けたお金はすでに融資などですでに使われているでしょうから、容疑者らが引き出したとされるお金は消費者金融会社の持ち物だとはいえません。
同様の理由で他の預金者の持ち物だともいえませんの、そのお金が保管されていたATMを管理している銀行が持ち主にあたります。

本来借入金を受け取るはずだった借入人ではない人が借入金を引き出していますので、借入金は銀行の意思に反して容疑者らの持ち物にされたことになります。
ですので、容疑者らが実際に不正アクセスを行ってATMから借入金を引き出したのであれば、窃盗罪が成立する可能性があります。

今回の事例では、被害額が150万円と高額であり、罰金刑では済まずに懲役刑が科されてしまう可能性があります。
懲役刑とは刑務所に収容されて刑務作業を行わなければならない刑罰ですので、懲役刑が執行されると刑務所に行き、自由が制限されることになります。
やはり自由が制限されるのはつらいですし、何とかして刑務所に行くことを避けたいと考える方も多いかと思います。
もしも執行猶予付き判決を獲得することができれば、有罪になって懲役刑が下されたとしても、再犯などしなければ刑務所に行かなくてよくなります。

執行猶予付き判決を獲得するためには、取調べ対応示談締結などが重要になってきます。
窃盗罪の経験豊富な弁護士による弁護活動で執行猶予付き判決を獲得できる可能性がありますので、窃盗罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】消費者金融アプリのアカウントに不正アクセスしてお金を借り入れた事例①

2024-03-15

【事例紹介】消費者金融アプリのアカウントに不正アクセスしてお金を借り入れた事例①

サイバー犯罪をする男性

消費者金融会社のスマートフォンアプリのアカウントに不正アクセスしお金を借り入れたとして不正アクセス禁止法違反窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警サイバー捜査課などは11日、不正アクセス禁止法違反と窃盗の疑いで、(中略)再逮捕した。
再逮捕容疑は、京都市南区の男(22)=同罪などで起訴=ら男2人と共謀し、昨年8月27日、消費者金融会社のスマートフォンアプリを使い、いずれも20代で東京都や岡山県に住む男女3人のアカウントに不正アクセスし、京都府京丹波町と南丹市のコンビニATMから借入金計150万円を引き出して盗んだ疑い。
(後略)

(3月11日 京都新聞 「インフルエンサー悪用で被害相次ぐ…不正アクセスで150万円引き出した疑いで男を再逮捕」より引用)

不正アクセス

大まかに説明すると不正アクセスとは、本来アクセスできない人が他人のユーザーIDやパスワードを用いて不正にアクセスする行為などをいいます。

不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下、不正アクセス禁止法といいます。)第3条では、「何人も、不正アクセス行為をしてはならない。」と規定しています。
ですので、不正アクセスをした場合は、不正アクセス禁止法違反が成立する可能性があります。
もしも不正アクセスをして不正アクセス禁止法違反で有罪になれば、3年以下懲役又は100万円以下の罰金に処されます。(不正アクセス禁止法第11条)

今回の事例では、消費者金融会社のスマートフォンアプリを使って容疑者らが男女3人のアカウントに不正アクセスしたとされています。
不正アクセスによってATMから借入金を引き出したと報道されていますので、消費者金融会社のスマートフォンアプリを使用してお金を借りることができるようです。
消費者金融会社のスマートフォンアプリの機能でお金を借りることができるのであれば、借入が本人か確認をするためにスマートフォンアプリの使用の際はログインを求められるでしょう。
おそらくパスワードを設定するなど本人しかログインできないようにアクセスを制限されているでしょうから、他人のスマートフォンアプリのアカウントなどにログインするためのIDやパスワードを入力してログインしたのであれば、不正アクセスにあたると考えられます。
ですので、実際に容疑者らが他人の金融会社のスマートフォンアプリのアカウントにログインしたのであれば、不正アクセス禁止法違反の罪に問われる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
不正アクセス禁止法違反などのサイバー犯罪は目に見えないインターネット上で行われる犯罪ですので、どういった犯罪なのかわからない方も多いかと思います。
弊所の弁護士に相談をしていただくことで、成立する可能性のある犯罪や今後の見通しなどを説明させていただきます。
不正アクセス禁止法違反などサイバー犯罪で容疑をかけられた方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

100万円分のサンドバッグになることで賭け麻雀で負けた分を無しにしてもらった事件

2024-03-13

100万円分のサンドバッグになることで賭け麻雀で負けた分を無しにしてもらった事件

賭博

賭け麻雀で負けた男が、100万の支払いをサンドバッグとして1時間殴られる見返りに免除にしてもらった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府伏見警察署によると、男性は、京都市伏見区内にある駅前の雑居ビルで友人のほかその場に居合わせた者と賭け麻雀をして100万円ほど負けたが、お金がなく支払えなかったため、1時間サンドバッグ代わりに殴られることを条件に免除してもらった。
1時間サンドバッグ代わりに暴行を受けた結果、気絶した男性は救急車に運ばれ、病院から伏見警察署に通報され事件が発覚した。
被害男性は肋骨が折れて全治2ヶ月と診断された。
(事例はフィクションです。)

賭け麻雀

本件では、大きく分けて2つの犯罪が成立する可能性があります。
1つは、賭博罪です。

刑法185条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

賭博とは、偶然の勝ち負けによって財産を得るか失うかを争うことを言います。
本件では、男らは現金を賭けて麻雀をしたとされています。
麻雀は偶然の要素により勝ち負けが左右されるものですから、その勝敗に現金という財産を得るか失うかを賭ける賭け麻雀は、賭博に当たる可能性があります。

もっとも、本条はただし書きで、「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは」賭博罪は成立しないとしています。
本件も、このただし書きに当たりはしないのでしょうか。
「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる」場合とは、すぐに飲み食いするなどして消費するもので、価値も低いものを賭けた場合を言います。
例えば、負けた人は勝った人にラーメンを奢るような場合です。
本件では、男は100万円もの大金を賭けて負けたようですから、ただし書きには該当しないでしょう。
以上より、サンドバッグになった男も含めて、賭け麻雀に参加した人には、賭博罪が成立する可能性があります。

被害者への暴行と承諾

もう1つ、サンドバッグになった男を被害者とする傷害罪が成立する可能性があります。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害とは、殴って出血させたりするなどして人の生理的機能に障害を与えることを言います。
本件では、加害者は被害者を殴って、肋骨を折っているようですから、傷害罪が成立するように思われます。

もっとも、被害者は自分から100万円分サンドバッグとして殴られることを提案しているので、傷害行為を受けることについて被害者の承諾があるとも言えそうです。
刑法204条の傷害罪の規定は、個人の身体を守るための規定ですから、当の本人が傷害行為に晒されることに同意している場合、傷害罪は成立しないのではないでしょうか?
この点について、判例は、承諾があっても、傷害罪が成立するかどうかは、「単に承諾が存在するという事実だけでなく、」その「承諾を得た動機、目的、身体傷害の手段、方法、損傷の部位、程度など諸般の事情を照らし合せて決すべき」であるとしています(最高裁決定昭和55年11月13日)。
例えば、不義理をした暴力団員の小指を、その承諾を得て切断をした事例について、犯罪が成立するとした裁判例があります(仙台地裁石巻支部昭和62年2月18日判時1249号145頁)。
本件では、被害者の承諾は、賭博という違法行為によって発生した100万の請求を免除するために得られていますから、承諾を得た目的が社会的に相当ではないと言えるでしょうし、身体傷害の程度も肋骨の骨折して全治2ヶ月と重症です。
したがって、被害者の承諾があるとはいえ、傷害罪が成立する可能性があります。

なるべく早く弁護士に相談を

185条の賭博罪の法定刑は、50万円以下の罰金又は科料となっています。
このような比較的軽い刑罰となっているのは、賭博を主催するものが搾取する側であるのに対し、賭博に参加するものは搾取される側であるためです。
したがって、微罪処分や不起訴処分となり前科がつかないこともあります。
もっとも、とるべき防御活動を怠ったために罰金刑がつく可能性もあります。
罰金刑も刑罰ですから前科となります。
したがって、賭け麻雀をして警察に呼び出された場合には、出頭前に弁護士に一度相談することをおすすめします。

また、本件では、被害男性に対する傷害罪が成立する可能性があります。
傷害罪の法定刑は十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金と非常に重たいため、容疑者が逃亡したり証拠隠滅したりする恐れがあるため逮捕されることも多いです。
逮捕による身柄拘束は最大3日ですが、必要と判断されれば勾留という10日間に及ぶ身体拘束がされる恐れがあり、さらに延長されることさえあります。
逮捕前逮捕後すぐに弁護士に弁護活動を依頼していれば、勾留が不要である旨の意見書を提出することができ、早期に身柄が解放される可能性があります。
意見書を提出する機会を逃さないためにも、早い段階で弁護士に相談することが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、賭博事件傷害事件を含む豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
賭け麻雀をして警察に見つかった場合や傷害事件を起こしてしまった場合には、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】勤務しているコンビニから人気トレーディングカードゲームを盗んだ事例

2024-03-11

【事例紹介】勤務しているコンビニから人気トレーディングカードゲームを盗んだ事例

万引き

勤務しているコンビニからポケカを盗んだとして、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

自身が勤務するコンビニ店で人気トレーディングカードゲーム「ポケモンカード(ポケカ)」を盗んだとして、京都府警上京署は6日、住所不定、アルバイト店員の男(30)を窃盗の疑いで逮捕した。「売れば金になる。生活費の足しにしたかった」と容疑を認めているという。
発表では、男は上京区内のコンビニ店で勤務していた4日午前3時25分頃、店内でポケカ100枚(販売価格計3980円)を盗んだ疑い。5枚入りや10枚入りで販売されており、店内の防犯カメラには男がカードをカバンに入れる様子が映っていたという。
(後略)

(3月8日 読売新聞オンライン 「勤務するコンビニでポケカ100枚盗む…容疑で逮捕の男「売れば金になる」」より引用)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は簡単に説明すると、人の物を持ち主に無断で自分の物や他の人の物にすると成立する犯罪です。

今回の事例では、容疑者が勤務するコンビニ店からポケカを100枚盗んだとされています。
盗んだとされているポケカはコンビニで販売されていた商品だったようですので、このポケカの持ち主はこのコンビニ店になります。
実際に容疑者がポケカをお店の許可なく持ち帰ったのであれば、無断で自分の物にしたことになりますから、窃盗罪が成立する可能性があります。

転売目的での窃盗

転売目的での窃盗は、被害額が同程度の窃盗事例と比べて科される刑罰が重くなる可能性があります。
転売目的窃盗を行う場合は盗品で利益を得ることになりますし、自分が消費する目的で盗む場合と比べて被害が大きくなってしまう可能性もあります。
ですので、転売目的による窃盗は、通常の窃盗に比べて悪質性が高いと判断される可能性が高く、転売目的窃盗はより重い刑罰を科されるおそれがあります。

今回の事例では、容疑者が「売れば金になる。生活費の足しにしたかった」と容疑を認めていると報道されていることから転売目的による窃盗だと思われますし、自身の務めているコンビニ店から盗んだとされていますので、悪質性が高いと判断される可能性が高いといえます。

窃盗罪は懲役刑の規定がある以上、罰金で済まずに懲役刑を科されてしまう可能性があります。
懲役刑が科されてしまうと、刑務所に行き、刑務作業に従事しなければならなくなってしまいます。
ですが、執行猶予付きの判決を獲得することができれば、刑務所に行かなくて済む場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで、不起訴処分や略式命令による罰金刑、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
窃盗罪で捜査を受けている方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】電車内や駅構内で女子中学生の脚を触ったとして逮捕された事例

2024-03-08

【事例紹介】電車内や駅構内で女子中学生の脚を触ったとして逮捕された事例

痴漢

電車内や駅構内で女子高校生や女子中学生の脚を触ったとして京都府迷惑行為等防止条例違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警木津署は7日、京都府迷惑行為防止条例違反の疑いで、京都府木津川市の無職の男(34)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)同市内を走行中のJR奈良線の車内や精華町のJR片町線の駅構内などで、女子高校生と女子中学生の計4人の脚を触るなどした疑い。
男は「何回もやっているので、どのことか分からない」などと話しているという。

(3月7日 京都新聞 「JRの電車や駅で痴漢疑い 逮捕された34歳男「何回もやっているのでどのことか分からない」」より引用)

痴漢

性的好奇心を満たすために、同意なく人の身体に触れる行為を痴漢といいます。
痴漢をした場合には、どのような罪に問われるのでしょうか。

結論から言うと、痴漢をした場合には各都道府県の迷惑行為防止条例違反の罪に問われる可能性があります。

京都府迷惑行為等防止条例第3条1項(2号以下を省略しています。)
何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
1号 他人の身体の一部に触ること(着衣その他の身に着ける物(以下「着衣等」という。)の上から触ることを含む。)。

京都府迷惑行為等防止条例第3条1項1号では、公共の場所などで他人の身体に触れることで、羞恥心や不安感、嫌悪感を抱かせることを禁止しています。

今回の事例では、電車の車内や駅構内などで女子高校生や女子中学生の脚を触ったとされています。
電車の車内は公共の乗り物にあたりますし、駅構内は公共の場所にあたります。
脚は身体の一部ですし、いきなり知らない人に脚を触られれば嫌悪感や不安感を抱くでしょう。
ですので、実際に容疑者が電車内や駅構内で女子高校生や女子中学生の脚を触る痴漢行為をしたのであれば、京都府迷惑行為等防止条例違反が成立する可能性があります。

痴漢行為をして京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)
また、常習して行っていたと認められる場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります。(京都府迷惑行為等防止条例第10条3項)

痴漢と不起訴処分

痴漢事件では、被害者と示談を締結することで不起訴処分を獲得できる場合があります。
今回のような事例では、被害者は未成年だと思われますから、示談交渉は被害者の保護者と行うことになるかと思います。
大切なわが子が性犯罪に遭ったわけですから、厳しい処罰感情を抱いている可能性が非常に高いです。
そのような場合には示談交渉はおろか、連絡先を教えてもらうことさえできない可能性があります。
弁護士であれば、話を聞いてみてもいいかと思われる方もいらっしゃいますので、示談交渉は弁護士にお任せすることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、痴漢事件をはじめ、数多くの性犯罪事件で不起訴処分を獲得してきました。
性犯罪の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
痴漢など性犯罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】人気ブランドに似た商標を付けたトートバッグを販売し逮捕

2024-03-06

【事例紹介】人気ブランドに似た商標を付けたトートバッグを販売し逮捕

ネットショッピング

人気ブランドに類似した商標を付けたトートバッグを販売したとして、商標法違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警田辺署は29日、商標法違反の疑いで、京田辺市の自称広告業の男(32)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)インターネットのフリマアプリで、人気ブランド「(中略)」に似た商標を付けたトートバッグを、3人に計7388円で販売した疑い。容疑を認めているという。
同署によると、男は「1200個ぐらい売った」と話しているという。容疑者の関係先からトートバッグ約120点を押収したとし、関係を調べる。

(2月29日 京都新聞 「フリマアプリで「アニエスベー」似のトートバック販売 容疑の男逮捕「1200個ぐらい売った」」より引用)

商標法違反

今回の事例では、容疑者が人気ブランドに類似した商標を付けたトートバッグを販売したとして商標法違反の容疑で逮捕されたようです。
商標とは、簡単に説明すると、ブランドのロゴなどといった、どこのブランドや企業が販売している商品かを消費者がわかるようにするためのマークなどをいいます。
この商標を使用する権利のことを商標権といい、商標権を持たない者が勝手に使用することはできません。
商標権を持たない者が勝手に商標を使用することはできないわけですから、商標権を持たない者が登録されている商標と類似した商標を使用し販売する行為は、商標権侵害にあたるといえます。

今回の事例では、容疑者が人気ブランドに似た商標を付けたトートバッグをフリマアプリで販売したとされています。
おそらくこの人気ブランドは商標を登録しているでしょうし、容疑者は商標を使用する権利は有していないでしょう。
実際に容疑者が報道のとおり、人気ブランドに類似した商標を使用して販売していたのであれば、容疑者に商標権法違反が成立する可能性があります。

商標権を侵害し、商標法違反で有罪になった場合には、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されます。(商標法第78条)

刑事事件では、逮捕後72時間の間に勾留の判断が行われます。
勾留の判断が行われる前であれば、弁護士は検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
弁護士が意見書を提出することで、勾留されることなく釈放してもらえる可能性があります。
ですので、ご家族が逮捕された場合には、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

肩がぶつけられた腹いせに現金を脅し取ったとして恐喝罪の疑いで逮捕された事例

2024-03-03

肩がぶつけられた腹いせに現金を脅し取ったとして恐喝罪の疑いで逮捕された事例

胸ぐらを掴む男性

肩がぶつけられた腹いせに現金を脅し取ったとして恐喝罪の疑いで逮捕された事例ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府北警察署は、自営業を営む男性(32)を恐喝罪の疑いで逮捕した。
男は、昼食を購入してコンビニを出ようとしたところ、前から歩いてきた大学生が男の肩にぶつかってしまい、男が手に持っていた栄養ドリンクは落ちて割れてしまった。
大学生は、スマホに夢中で前に男がいることに気づかず男にぶつかってしまったようで、男は、大学生に対し「前見て歩けや!どうしてくれるんや、靴に栄養ドリンクがかかって汚れたやないか。いくらすると思ってんねん」などとまくしたて、胸ぐらを掴み「弁償しないとどつき回すぞ」と言って、突然のことに怖くなった大学生は現金3万円を男に渡し、男がその現金を受け取った疑いが持たれている。
一部始終を目撃していた他の買い物客からの通報を受けた警察官に男は逮捕された。
取調べに対し男は、「ストレスが溜まっていてついキレてしまった。申し訳ないことをした」と反省している。
(フィクションです)

恐喝罪とは

刑法249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

本件で、男は、自分にぶつかってきた大学生に対して、「どつき回すぞ」などど脅して現金3万円を受け取っているようです。
男の行為は恐喝罪にあたる可能性があります。

まず、恐喝罪にいう恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であって、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を言います。
本件で、男は、弁償しないとどつき回すぞと言って大学生を怖がらせています。
どつき回すと言うのは、身体に対する害悪の告知ですから、男の発言は、財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫に該当すると言えそうです(①)。

次に②を見てみましょう。
男の上記行為は、被害者の反抗を抑圧するに至らない程度と言えるでしょうか?
仮に、被害者の反抗を抑圧する程度の脅迫に該当した場合、恐喝罪ではなく強盗罪の成否が問題となります。
例えば、ナイフなどの凶器を手にした状態で、金品を渡さないと殺すなどと告げた場合には、要求に応じないと殺されるかもしれませんから金品を言われた通り差し出すしかないでしょう。
このような場合、反抗を抑圧する程度の脅迫にあたり、恐喝罪ではなく強盗罪の成否が問題となります。

本件では、男はどつき回すぞと脅して大学生を怖がらせていますが、凶器を持って脅したわけではないので、反抗を抑圧する程度の脅迫とまでは言えないでしょう。
したがって、どつき回すぞという男の発言は恐喝に当たると言えそうです。

また、本件では、男は大学生の胸ぐらを掴んで金品を要求しています。
これは財物交付に向けられた人を畏怖させるに足りる暴行と言えそうです。
また、胸ぐらを掴む行為は、被害者の反抗を抑圧する程度とまでは言えないでしょう。
したがって、胸ぐらを掴んで金品を要求した行為は恐喝に当たる可能性があります。

以上より、男には恐喝罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

本件で男はカッとなってやってしまったと言っていますが、恐喝罪の法定刑は10年以下の懲役ですから刑法の犯罪の中でも重たい犯罪を犯してしまっています。

執行猶予がつくためには、下される量刑が3年以下であることが必要です。
恐喝罪の法定刑は上述の通り10年以下の懲役ですから、執行猶予がつかない可能性があります。
仮に執行猶予がつかず実刑判決が下った場合、刑務所に拘束されるため大学に通ったり会社に出勤したりすることはできず、解雇退学処分となることが珍しくありません。
したがって、刑務所での拘束を避けるためには、下される量刑を3年以内に抑えて執行猶予付判決を獲得する必要があります。

下される量刑を抑えるには、被害者との間の示談を成立させることが重要になってきます。
ただし、本件のように、胸ぐらを掴んでどつき回すぞと言われた被害者からすると、加害者とは関わりたくないと思っていたり、強い処罰感情を有していたりする可能性があるので、加害者本人が直接示談交渉を進めることは通常困難です。

そこで、交渉のプロである弁護士に第三者的立場から示談交渉をしてもらうことをおすすめします。
さらに、検察官に起訴される前に示談を締結できた場合には不起訴処分となる可能性も存在しますから、できる限り早い段階で弁護士に相談することが極めて重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、恐喝事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

一人暮らしの高齢者宅に侵入して金品を強盗した事例

2024-03-01

一人暮らしの高齢者宅に侵入して金品を強盗した事例

窃盗や強盗で手に入れたお金

一人暮らしの高齢者宅に侵入して金品を強盗した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府南警察署は、京都市内に住む自称自営業の男性(28)を強盗罪の疑いで逮捕した。
男は、水道業者のふりをして京都市南区で一人暮らしをする高齢者(78)の自宅を訪れ、水回りの確認のためと言ってリビングに上がると、用意していた包丁を被害者に突きつけ、「財布にある現金と通帳をよこせ。渡さないと殺すぞ」と言って、現金70万と通帳のほか被害者が所有する高級時計を3点奪って逃走した疑いが持たれている。
(フィクションです)

強盗罪とは

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

強盗罪は、刑法に規定されている犯罪の中で非常に重い罪の1つです。
例えば、被害者をバットなどで殴ったり、ナイフで刺すぞと脅したりすることで、抵抗することを難しくさせ、無理やり財産を奪うような行為が強盗罪にあたります。
財産を奪う点で窃盗罪と共通しますが、強盗罪は抵抗を困難にさせる程の暴行脅迫が手段として用いられる点で、被害者の生命や身体を侵害する可能性があることから重い刑が課されます。

本件では、男は、高齢の被害者に包丁を突きつけ金品を渡さないと殺すぞと脅しているようです。
本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
加害者の行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であったかどうかは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。

この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
特に暴行又は脅迫の態様が重視されます。
例えば、加害者が拳銃やナイフなどの殺傷能力の高い凶器を使用した場合には、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であったと判断される可能性が高くなります。

本件では、男は金品に奪うために包丁を高齢の被害者に突きつけています。
包丁は非常に殺傷能力の高い凶器ですし、加害者が若い男性であるのに対し、被害者は相対的に力の弱い高齢者です。
したがって、男の行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使であったと言えそうです。

また、男は包丁を突きつけて、金品をよこさないと殺すぞとも言っています。
これは反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知と言えます。

したがって、男が被害者に対して、包丁を突きつけて金品を渡さないと殺すぞと言った行為は、強盗罪のいう暴行脅迫にあたると言えそうです。

以上より、男は、包丁を突きつけて殺すぞと脅すことで被害者が反抗するのを困難にして、現金70万と通帳のほか被害者の集めていた高級時計3点を無理やり奪ったと言えそうですから、強盗罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

強盗罪を犯した場合、多くの場合執行猶予がつきません。
強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役なのに対し、執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要があるからです(刑法25条)。

もっとも中には、被害者との間に示談が成立して執行猶予がついたケースもあります。
被害者との間に示談が成立していれば、刑の減軽がされ、下される量刑が3年以下の懲役になる場合があり、この場合には、裁判官は執行猶予をつけることができるためです。

執行猶予がつけば、刑務所に入らなくて済むため、今まで通りの生活を続けることができる可能性があります。
会社員であれば、会社に出社することが可能となりますし、本件のように自営業であれば今まで通り取引先と営業することが可能となります。
執行猶予がつかなかった場合何年も刑務所に入ることになりますから、会社員であれば解雇される可能性が高く、自営業の場合には今まで築いてきた取引先を失う可能性があります。

したがって、示談を成立させることができるかどうかが重要となりますが、加害者が直接、被害者と示談交渉しようとするのは得策ではありません。
本件であれば、被害者は包丁を突きつけられて殺すぞと言われているわけですから、加害者に対して非常に強い恐怖感を抱いているでしょうし、同時に強い処罰感情を有していることが考えられます。
したがって、加害者が謝罪したいと言っても聞いてくれない可能性が高いでしょう。

そこで、弁護士に示談交渉を一任されることをおすすめいたします。加害者を断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば連絡を取ることに応じてくれるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を軽くして執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
示談は裁判官が判決を下す前に成立させる必要があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

コスメセレクトショップで総額2万円の窃盗をした疑いで女性が逮捕された事例

2024-02-28

コスメセレクトショップで総額2万円の窃盗をした疑いで女性が逮捕された事例

万引き

コスメセレクトショップで総額2万円の窃盗をした疑いで女性が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府中京警察署は、京都市内のコスメセレクトショップにて、総額2万円相当の化粧品を盗んだ疑いで会社員の女性(35)を逮捕した。
女性は、店内をぐるっと1周したのち、有名ブランドの化粧品を自分のカバンに入れて代金を支払わずに店から出ようとしたところを私服警備員に呼び止められ、駆けつけた警察官に窃盗罪の容疑で逮捕された。
取調べに対し女性は、「盗んだ化粧品は定価より高く転売できると聞いて、お金欲しさにフリマアプリで転売するために盗んだ。」と容疑を認めている。
(フィクションです)

窃盗罪とは

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することを言います。
ここでの占有とは、物の支配や管理のことを指し、占有が認められるためには、客観的要件としての財物に対する事実的支配(客観的支配)と、主観的要件として財物に対する支配意思が必要です。
例えば、自宅の机の上に置いてある本は、自宅という特定の人しか中に入ることができない閉鎖的な支配領域に内にあるため、強い客観的支配が認められます。
また、すぐ読めるように机の上という目につきやすい場所に置いてあるのであれば、この本は自分のものであるという支配意思も強いと言えるでしょうから、家主に占有が認められます。

本件では、女性は、有名ブランドの化粧品を数多く取り揃えるコスメセレクトショップで販売されていた化粧品を自身のカバンの中に入れて店を出ようとしたようです。
女性が持ち出そうとした化粧品は、セレクトショップの中に並べられていたようですので、セレクトショップには、その化粧品に対して、強い客観的支配が認められます。
セレクトショップは、店舗内に並べている商品である化粧品に対して、自店舗のものだという強い支配意思を有していると考えられます。
以上より、セレクトショップは、女性が持ち出した化粧品を占有していたと言えそうです。

そして、女性は、その化粧品を代金を支払わずに店の外に持ち出したようです。
セレクトショップは、商品をその代金を払うことなく店の外に持ち出すことを許していないでしょうから、女性は化粧品を、占有者であるセレクトショップの意思に反して自己の占有に移転した、すなわち窃取したと言えそうです。

女性は、化粧品を自分の物であるかのように他人に転売しようとして、意図的に代金を支払わずに店の外に出ようとしたようですから、本件では窃盗罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

窃盗罪は被害者のいる犯罪です。
このような犯罪では、被害者との間で示談を成立させることが重要となります。
示談が早い段階で成立していれば不起訴処分となる可能性がありますし、仮に、起訴後に示談が成立した場合でも、罪の減軽や執行猶予付判決が得られる可能性があるからです。

もっとも加害者が直接動いて示談交渉をすすめることは通常困難です。
例えば、本件のように容疑者が逮捕されている場合には、自由に動くことができませんから、仮に被害者が示談交渉に応じる姿勢を見せてくれていたとしてもスムーズに示談交渉を進めることが難しくなります。
逮捕されずに在宅で捜査が行われる場合でも、窃盗の被害にあったセレクトショップの経営者は、窃盗犯に対し強い処罰感情を有している可能性が高いですから、直接接触しようとしても交渉のテーブルに着くこと自体拒絶されかねません。

そこで、示談交渉は交渉のプロである弁護士に一任することをおすすめします。
直接加害者とやり取りすることに抵抗を感じる被害者でも、弁護士が相手であれば、示談交渉に応じてくれることは少なくありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

【事例紹介】現金を奪っていないのに、強盗致傷罪で逮捕された事例

2024-02-25

【事例紹介】現金を奪っていないのに、強盗致傷罪で逮捕された事例

窃盗や強盗で手に入れたお金

被害者を車で連れ去って監禁し暴行を加えることで現金を奪おうとしたとして、営利目的略取罪監禁罪強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警捜査1課と中京署は13日、営利目的略取と逮捕監禁、強盗致傷の疑いで、滋賀県豊郷町の建設会社社長など(中略)男4人を逮捕した。
4人の逮捕容疑は共謀して、(中略)京都市中京区の路上で、会社員男性(中略)の顔面を複数回殴り、車に押し込んで連れ去った後、滋賀県内の事務所に5日未明まで監禁。殴る蹴るの暴行を加えて軽傷を負わせ、「350万円払ったら逃がしたるわ」などと脅迫し、現金を奪おうとした疑い。府警は4人の認否を明らかにしていない。
(後略)

(2月13日 京都新聞 「退職申し出た従業員に暴行加え「350万円払ったら逃したる」 監禁などの疑いで建設会社社長ら4人逮捕」より引用)

営利目的略取罪

刑法第225条
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

略取とは、暴行や脅迫を用いて現在の生活状態から離脱させることで自分や第三者の支配下に置くことをいいます。
営利目的略取罪は、大まかに説明すると、金銭を得るなどの営利目的で略取を行うと成立する犯罪です。

今回の事例では、被害者の顔面を複数回殴り車に押し込んで連れ去ったとされています。
殴る行為は暴行に当たりますし、車でどこかへ連れ去る行為は現在の生活状態から離脱させ、容疑者らの支配下に置く行為だと推測できます。
また、「350万円払ったら逃がしたるわ」などと脅迫したと報道されていますので、営利目的があったと考えられますので、実際に容疑者らが被害者を車で連れ去ったのであれば、容疑者らに営利目的略取罪が成立する可能性があります。

監禁罪

刑法第220条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

監禁罪は簡単に説明すると、鍵のかかった部屋に閉じ込めるなど、脱出が難しいような場所に閉じ込めると成立する犯罪です。

今回の事例では、被害者を車で連れ去ったとされています。
走行している車内から外に出る行為は最悪の場合死に至りますし、少なくともけがを負うでしょうから、走行中の車から脱出することは困難だといえます。
ですので、相手の同意なく車に乗せて走行する行為は監禁罪が成立すると考えられます。

また、報道では滋賀県内の事務所に被害者を監禁したとされています。
報道内容だけでは詳しいことは明らかではありませんが、鍵をかけた部屋に閉じ込めていた場合などは、脱出することは困難でしょうから、監禁罪が成立するおそれがあります。
ですので、今回の事例で実際に容疑者らが被害者を車で連れ去り滋賀県内の事務所で監禁したのであれば、監禁罪が成立するおそれがあります。

強盗致傷罪

刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗罪は簡単に説明すると、抵抗できないような暴行や脅迫を用いてお金などを奪うと成立する犯罪です。
強盗の際にけがを負わせると強盗致傷罪が成立します。

今回の事例では、容疑者らが被害者に殴る蹴るの暴行を加えて軽傷を負わせ、「350万円払ったら逃がしたるわ」などと脅迫して現金を奪おうとしたと報道されています。
軽傷といえどもけがはけがですし、実際に容疑者らが350万円払えば逃がすという発言をしたのであれば、容疑者らは暴行を加えることで現金を奪おうとしていると推測できるでしょう。
であれば、実際に容疑者らがそういった発言をし、被害者にけがを負わせたのであれば、強盗致傷罪が成立する可能性があります。

ですが、今回の事例では、実際に現金を手に入れることはできなかったようです。
その場合にも強盗致傷罪は成立するのでしょうか。

判例では、「強盗に着手した者がその実行行為中被害者に暴行を加へて傷害の結果を生ぜしめた以上財物の奪取未遂の場合でも強盗傷人罪の既遂をもつて論ずべき」(昭和23年6月12日 最高裁判所 決定)だとしており、お金などの財物の奪取が未遂、つまりお金などを奪えていなくても暴行を加えて傷害の結果を生じさせた以上、強盗傷人罪は成立するとされています。
強盗傷人罪は刑法で明確に規定されているわけではなく、強盗傷人罪も強盗致傷罪と同様の刑法第240条が適用されます。
ですので、強盗致傷罪についても、財物が奪えていない場合も強盗致傷罪が成立する可能性があると考えられます。

ですので、今回の事例で容疑者らが実際に被害者から現金を奪おうとして暴行を加え、けがを負わせたのであれば、強盗致傷罪が成立する可能性があります。

逮捕されたら弁護士に相談を

共犯者がいる事件では、証拠隠滅の観点から、家族の接見が認められない場合があります。
ですが、弁護士による接見等一部解除の申請により、家族の接見が認められる場合があります。
また、弁護士による意見書の提出や準抗告の申し立てにより釈放を実現できる場合がありますので、ご家族が逮捕された方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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